NTT西、日本MSと協業–自治体DXで立ちはだかる壁にソリューション提供
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西日本電信電話(NTT西日本)は5月22日、地方自治体のDXに向けて、日本マイクロソフトと協業を開始したと発表した。
同日開催の発表会に登壇したNTT西日本 代表取締役社長 社長執行役員の森林正彰氏は、自治体業務のデジタル化の在るべき姿と現状の隔たりを説明(図1)。例えば、(1)クラウドリフトでは、ガバメントクラウドで運用する20業務以外は最適な構成が分からない、(2)業務の高度化・効率化や事務処理の自動化では、専門知識を持つ人材が不足している、(3)相談業務の充実に向けた取り組みでは、オンライン/アナログ申請の混在による担当者の業務負荷が懸念される、(4)窓口のデジタル化では、扱う制度や仕組みが年々多様化している――などがある。
両社は、これら4つの課題にそれぞれ解決策を提案する。(1)では、コンサルティングからハイブリッドクラウド環境の導入、サポート、ネットワークへの接続、セキュリティまで、自治体の要望に対応する各種サービスを提供する(図2)。
例えば、各自治体業務の現状調査、最適なシステム構成の検討、自治体間での共同利用の検討・合意形成などを行うDXコンサルティングや、浮き彫りとなった業務課題を解決する自治体DXソリューションを提供する。また、サポート、ネットワーク、セキュリティなどのトータルマネージドサービスを提供するとともに、ガバメントクラウドの運用管理補助者として自治体や地域ベンダーを支援する。加えて、ガバメントクラウドへのリフト/シフトを支援したり、地域創生クラウドなど、NTT西日本のデータセンターを活用して安価なクラウド環境を提供したりする。
(2)では、「Azure OpenAI Service」などの生成AIを活用し、多様かつ複雑な問い合わせに対応可能なDXサービスを提供する。生成AIに入力したデータを学習に利用させないほか、マニュアルなどのデータソースを「Microsoft Azure」に蓄積してその範囲で回答することで、情報漏えいリスクの低減や回答の正確性担保を図る。
(3)では、ローコードツールやRPAなどに加え、生成AIを活用したBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービス「共同DXセンター」を提供する。これにより各自治体は、人的資源を相談業務などの高度な行政サービスに集中できるとしている。
(4)では、デジタル人材の育成と外部人材の活用を支援する。NTT西日本の共創拠点「LINKSPARK」で顧客課題に沿ったDXを推進するとともに、同社のオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE」で自治体、企業、スタートアップなどと変革を推進することで、求められる人材像や育成計画の策定からDXの実践・実装までを行う。また、LINKSPARK OSAKAに体験施設「Microsoft Base」を開設し、地方自治体や地域ベンダーにおけるデジタル人材の育成に取り組む。
(1)と(4)は5月22日付で利用でき、(2)と(3)は準備中だという。自治体のDXで市民が得られるメリットには、申請のオンライン化や待ち時間の短縮などが考えられる。
同発表会には、日本マイクロソフト 代表取締役社長の津坂美樹氏も登壇。生成AIの活用により自治体では、電話自動応答システムの構築、自治体内情報の検索、オンライン手続きの内製化などが可能になるという。
日本マイクロソフトと協業する意義について、森林氏は「もともと協業していたほか、互いの強みが重なっていないため、両社の強みを合わせると競争力のあるソリューションを提供できると考えている」とし、「例えば、日本マイクロソフトはガバメントクラウドの提供事業者であり、OpenAIの技術や『Microsoft Office』『Microsoft Teams』などを持っている。一方われわれはネットワークやデータセンターを持っているほか、西日本の30府県に人材を抱えているため、日頃から各自治体の人々とコミュニケーションが取れている」と語った。
両社は、今後約5年間で500億円規模の売り上げを目指している。西日本にある915自治体のうち、4分の1以上にサービスを利用してもらうことを計画している。