富士通、HPCや量子コンピューティングなどのクラウドを展開
今回は「富士通、HPCや量子コンピューティングなどのクラウドを展開」についてご紹介します。
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富士通は4月6日、コンピューティングリソースのクラウドサービス「Fujitsu Computing as a Service」(富士通CaaS)を10月から提供すると発表した。第一弾として、理化学研究所(理研)の「富岳」に導入されている「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」のリソースを「Fujitsu クラウドサービスHPC」として利用できるようにする。
富士通CaaSでは、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)や同社独自の量子着想技術「デジタルアニーラ」および現在研究開発中の量子コンピューターの処理能力とこれらを利用する際に必要なソフトウェアライブラリー、アプリケーション、チューニング、運用保守をワンストップで提供する。顧客は、大規模シミュレーションなどに必要なコンピューティングリソースを自らの資産として保有することなく、オンデマンドで利用できるとしている。
同日の記者会見で執行役員 SEVP CTO(最高技術責任者)のVivek Mahajan氏は、3月30日に発表した世界最速の36量子ビットの量子シミュレーターをはじめ同社のHPCや量子関連の高性能コンピューティング技術を顧客が必要なタイミング、必要な形で利用できるようにすることにより、複雑化するさまざまな社会課題の解決で求められるデータの活用を支援していくと説明した。
執行役員EVP 高橋美波氏は、新サービスが製造や金融、医療などの分野が抱える複雑な各種課題の解決に寄与するものと強調。実例としてぺプチエイドと取り組む創薬でのHPCやデジタルアニーラの利用を挙げ、安定的な中分子構造を実現する最適な物質の組み合わせの算出に要する時間の大幅な短縮を実現したという。今後は、例えば物流なら最適な輸送経路や人材配置によるコストの削減、都市計画では人口動態や環境変化のシミュレーション、サプライチェーン(供給調達網)ではマクロ経済に基づくリスク要因の計算といったことをより行いやすくなるとする。
第一弾のFujitsu クラウドサービスHPCは、PRIMEHPC FX1000のコンピューティングリソース、ソフトウェアライブラリー、アプリケーション、チューニングサービスをまとめてユーザーに提供する。利用料は最小構成の場合で月額10万円から。理研の富岳と互換性が確保されている。
まずは国内向けに提供し、今後はソフトウェアサービスや海外ユーザー向けの提供、量子コンピューターでのサービス提供を順次進めていくという。