仙台市、道路整備事業で「地中可視化サービス」を活用–道路領域でのDXを加速
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仙台市青葉区道路課は、同市内の道路整備事業調査に日立製作所が提供する「地中可視化サービス」を活用している。2月から同区内の市道2路線で同サービスを用いた事業が行われている。日立製作所が3月5日に発表した。
同サービスは、地中レーダー探査装置によって得られた埋没物の位置情報と路面画像などのデータをAI技術で解析し、埋設管の位置座標などの情報を高精度に3次元データ化する。これにより、道路改良工事で支障となり得る埋設管などの敷設位置や各管の位置関係を、試掘することなく把握した上で設計を行うことができる。
さらに設計精度の向上による施工段階での手戻り防止や管路損傷リスクの低減が見込める。埋設管の敷設状況を一元的かつ3次元で表示・共有することで、他占用事業者や設計・施工事業者との事業内容の調整などの対応の効率化を図れる。占用事業者とは、道路に一定の工作物、物件または施設を設け、道路の空間を独占的・継続的に使用する事業者のこと。
日立製作所は、2021年度から仙台市下水道建設部と共に同サービスの導入効果を検証するための共同研究に取り組んできた。今回、共同研究における仕様範囲内で「埋設物100%検知」が確認された。また手戻りや計画遅延リスクが想定される設計・施工案件でも、設計変更や追加対応などの業務を抑制することで最大48%程度の工数削減が見込めるという。そこで、同市はその成果を青葉区内の道路整備事業に生かすこととした。
仙台市は同サービスについて、地中埋設物の高精度(100%)検知により、現況を正確に把握できることや、限られた人材で業務を効率的に推進できることなどを評価している。また工事に伴う二酸化炭素(CO2)排出量削減にも寄与することも採用のポイントになった。
地中埋設物の検知については、道路の舗装をはがすことなく、職員が地中埋設物の現況を把握できることが高く評価された。可視化情報を活用することにより、複数の事業者間で連携して埋設物情報を共有することも可能となる。
また道路課では人材不足の課題があった。しかし同サービスにより埋設管路が3次元データ化され、直観的かつ簡易に管路の既設状況を把握できることから、限られた人的リソースでも効率的な業務推進が可能だとしている。
CO2排出量削減については、共同研究で施工時の現地調査・試掘工事などの短縮化による交通渋滞時間の削減と、建機稼働時間短縮による約44%のCO2排出量削減効果が確認されている。また今回進められる道路整備事業でも、道路改良工事に伴う建機稼働時間の削減により、CO2排出量を削減することが可能だという。
日立製作所では今後、仙台市との取り組みで培ったノウハウを活用し、インフラ事業者間でのデータ連携・共有を支援する仕組みなど、サービス機能の拡充や他インフラ分野への横展開を進めるとしている。