働きながら旅する「デジタルノマド」–リモートワークならではの新ライフスタイル
今回は「働きながら旅する「デジタルノマド」–リモートワークならではの新ライフスタイル」についてご紹介します。
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Laura Tiensuu氏は、勤め先が完全なリモートワークに切り替えたとき、ホームオフィススペースを作るのではなく、ずっとやりたかったことをするチャンスだと感じた。それは、デジタルノマドになって、仕事や旅行、生活をライトバンの中ですることだ。
2021年以来、Tiensuu氏とパートナーは、カスタマイズしたライトバンで欧州を旅している。日中にさまざまな仕事をし、余暇にはフレンチアルプスやスペイン北部の峡谷などの場所で、山登りや探検をする。
「完全なリモートワークへ移行したことで、個人的な情熱と仕事への情熱を結びつける機会が得られた」。テクノロジー企業Aivenでマーケティングデータおよび分析担当マネージャーを務めるTiensuu氏はこのように語る。「仕事から頭を切り替えるのがずっと簡単になったと感じる」
仕事がある日には、ほとんどの時間をバンの中で過ごすが、1日を通して何度か休憩を取り、そのとき駐車している場所の新しくて美しい風景の中を歩いたり、探検したりする。仕事が優先だが、好天に恵まれた日には、勤務時間を調整して、好きな気晴らしである登山の時間を長くとれるようにしている。
「曜日に関係なく、天気の良い日は可能な限り長い時間を外で過ごし、雨が降っているときに仕事をするようにしている」とTiensuu氏。「天気が良いときに働く場合は、バンのドアを全開にするか、車外で仕事をすることが多い」
デジタルノマド、すなわちさまざまな場所に旅行しながらリモートワークをする人のライフスタイルは、パンデミックが始まって以来、若い労働者の間で増加している。2021年における世界のデジタルノマドの数は3500万人で、Tiensuu氏とパートナーもその中に含まれる。
フルタイムのデジタルノマドになるには、約1年の準備が必要だった。夜と週末にライトバンのカスタマイズに取り組み、仕事と生活の両方が可能なスペースに改造した。たとえば、バンの屋根に外部アンテナを設置したほか、車内にWi-Fiボックスを取り付けて、都市部にいるときも人里離れた国立公園に駐車しているときもインターネットにアクセスできるようにした。
「また、訪問するすべての国で現地のSIMカードを購入しているので、かなり良好なインターネット接続を利用できる」(Tiensuu氏)
ただし、ライトバンのライフスタイルに問題がないわけではない。Tiensuu氏によると、バンが道ばたで動かなくなったことや、「Zoom」会議の途中で太陽光発電を使い切ってしまったことがあったという。
2人はそのような小さなスペースでの仕事と共同生活を切り抜けなければならなかった。Tiensuu氏は、バンを改造したとき、それぞれが十分なデスクトップスペースを確保できるようにするとともに、ノイズキャンセリングヘッドホンやマイクなどの適切な機器を購入して、2人同時に通話できるようにした、と述べた。「それに関しては、何度も計画を練り直した」とTiensuu氏。「適切なワークスペースは極めて重要なので、まずそれを作ってから、他のすべてのものを用意した」
Tiensuu氏とパートナーは今も欧州を旅しており、最近はスペインを訪れている。同氏は、このライフスタイルは何ものにも代えがたいと語る。
「私のモチベーションと仕事への取り組みに良い影響しかない」とTiensuu氏は述べた。「できるだけ多くの人に体験してもらいたい」
リモートワークはかつて、異例なものだった。会社に在宅勤務のポリシーがある人は、恵まれていた。しかし、パンデミックによって、多くのオフィスワーカーが何らかの形のリモートワークを余儀なくされると、Tiensuu氏の勤め先のような会社では、リモートワークがすぐに当たり前になった。