NVIDIAのCTOが考えるメタバース、デジタルツイン、データセンターとクラウド

今回は「NVIDIAのCTOが考えるメタバース、デジタルツイン、データセンターとクラウド」についてご紹介します。

関連ワード (CxOメッセージ、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 メタバースをめぐるハイプが高まる中、筆者は世界的な専門家の1人に話を聞き、そのコンセプトについて説明してもらうとともに、事実とフィクションを切り分けようとした。

 このため筆者は、リーダーシップやテクノロジー、マネジメント手法の変化などについて話を聞くインタビューシリーズ「CXOTalk」の750回目のゲストとしてNVIDIAの最高技術責任者(CTO)Michael Kagan氏を招いた。Kagan氏はNVIDIAのCTOとして、同社全体を通じてテクノロジーアーキテクチャーを協調させる役割を担っている。こういったテクノロジーアーキテクチャーには、仮想世界を作り上げる同社のコラボレーションプラットフォーム「Omniverse」も含まれている。

 筆者にとって、今回のインタビューで最も興味深い部分は主に2つだ。1つはメタバース(同社は「NVIDIA Omniverse」というプラットフォームを展開している)に関する同氏の説明であり、もう1つはモダンなコンピューティングの中核としてのデータセンターに関する同氏の見解だ。またインタビューの中では、デジタルツインや、メタバースにおける仮想通貨(暗号資産)の役割にも触れている。

 Kagan氏は、Intelでの仕事を皮切りに、数十年にわたってマイクロプロセッサーチップの設計を手がけてきている。同氏はエンジニアリング畑の出身だが今回、ビジネス畑の人々にも分かる言葉でこうしたテクノロジーを明快に説明してくれた。

 メタバースについて学ぶには、インタビュー動画を最後まで視聴するとともに、Kagan氏の発言内容(抄録)を読み進めてもらいたい。

 私は、NVIDIAのテクノロジーという資産全体に対するアーキテクトという役割を担っている。21世紀のコンピューティングを作り上げるというのは素晴らしい機会だ。NVIDIAのCTOとしての私の仕事は、テクノロジーをまたがってアーキテクチャーを生み出すことだ。

 メタバースは仮想の世界だ。この世界では、おとぎ話を現実のものにできる。Omniverseはこの考えを実現するものだ。

 仮想世界を自らの手で作り上げられる。また、仮想世界で生活することもできる。さらに国境や地理上の境界線、制約、言語の壁にとらわれず、世界をまたにかけて仮想世界でコラボレーションができる。一緒に仕事ができる。そしてこの仮想世界は現実世界と連携でき、想像上の物事を現実の物事にできる。

 われわれがNVIDIAで取り組もうとしているのは、地球上の現実世界をシミュレーションすることだ。Omniverseにより、歴史を実験科学に変えることができる。

 また、将来的に起こることをシミュレーションできる。例えば、われわれは地球温暖化にどのように対処するのだろうか。あるいは気候変動にどのように対処するのだろうか。

 おとぎ話を作るのもよいが、大規模プロジェクトをその構築に先立ってシミュレーションすることもできる。

 BMWのような大手自動車メーカーと当社が協業しているという話を耳にしている人もいるかもしれない。彼らは大規模プロジェクトの構築に取りかかる前にシミュレーションを実行している。

 いったん何かを構築すると、そのプロジェクトのデジタルツインができたことになる。それはデータセンターであるかもしれず、また製造工場であるかもしれず、あるいはスマートシティーであるかもしれない。デジタルツインとやり取りして仮想世界でロボットを訓練すれば、現実世界のロボットもより優れたものになる。

 Omniverseは未来だ。これはイマジネーションの自転車と言える。かつて、Steve Jobs氏がコンピューターは知性の自転車なのだと述べたように、Omniverseはイマジネーションの自転車なのだ。

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