オフィス回帰を望むZ世代、リアルな職場での経験求める
今回は「オフィス回帰を望むZ世代、リアルな職場での経験求める」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
メディアの見出しには、新入社員は働く場所についてますます高い柔軟性を求めているというストーリーが並ぶ。しかし実際には、Z世代の働き手が物理的なオフィスを救うかもしれない。
若者に関する動向を調べている調査会社Generation Labが発表した新しいレポートによれば、大学生と最近大学を卒業した人のうち、40%はフルタイムでのオフィス勤務の仕事を求めており、39%はハイブリッドワークが可能な仕事を求めていた。フルタイムでのリモートワークが可能な仕事を求めていたのは19%にすぎなかった。
Z世代の仕事に対する考え方に関する調査結果は矛盾している場合も多いため、若者世代がリモートワークとオフィス勤務のどちらがいいかという論争をどう感じているかを正確に捉えることは難しい。
とはいえ、調査によって数字は異なるものの、Z世代では、他の世代(特にベビーブーマー世代)よりもフルタイムでの対面の仕事を求める人の割合が高いという傾向は共通している。実際、労働者の年齢層に差し掛かったばかりのZ世代と比較すると、労働者の年齢層からは外れ始めているベビーブーマー世代は、リモートワークに賛成する人の割合がはるかに多い。
Z世代が生まれたのは1997年から2012年であり、この世代がデジタル技術に囲まれて育ってきたことを考えれば、一連の調査結果は直感に反するように思えるかもしれない。「iPadキッズ」とも呼ばれたこのデジタルネイティブ世代は、オンラインで活動する在宅勤務の性格とは、最も親和性が高い世代だと考えられるからだ。
しかし実は、2022年時点では、Z世代の中でも最も早く生まれた人が25歳になったばかりで、コロナ禍が始まる前の「普通」の仕事をほんの数年しか経験していない。多くの人は、仕事を始めたときからハイブリッドワークかリモートワークしか経験していないのだ。物理的なオフィスで働くことで得られる労働規範を教えられたことも、それを躾けられたこともないZ世代は、職場のコミュニティーに所属している感覚が薄いことや、メンターシップを受けにくいこと、キャリア開発の機会が少ないことなどを懸念している。
Axiosの調査では、若年の回答者の66%が、上司から対面でフィードバックを受けることを好んでおり、45%がリモートワークやハイブリッドワークの職場で集中できる環境を維持できるかどうかに不安を感じていた。その間の世代は、半数以上がミレニアル世代とX世代で、子育てや家事の責任を負っている人が多いことから、ハイブリッドワークやフルタイムでのリモートワークを希望している。職場管理プラットフォームを提供しているEdenの調査でも、他の調査と同様に、Z世代はミレニアル世代やX世代よりも対面で働くことを希望する人が多かった。
ではこのことは、新しい世代の労働者を受け入れつつある企業にとって何を意味するのだろうか。デジタルネイティブ世代の従業員はリモートワークが持つ性格から恩恵を受けやすいと考えるのは合理的だが、Z世代が人間的な繋がりや職場における方向感覚を強く求めていることは明らかだ。全員にフルタイムでのオフィス勤務を義務づけるのは難しいとしても、少なくとも部分的には物理的な職場を経験させるハイブリッドワークのスタイルを導入するか、一部のミーティングや学びの機会を対面にすれば、20代の従業員の希望に応えられる可能性が高まるだろう。