第43回:列伝3人目「武闘派型ひとり情シス」
今回は「第43回:列伝3人目「武闘派型ひとり情シス」」についてご紹介します。
関連ワード (「ひとり情シス」の本当のところ、運用管理等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
ひとり情シス協会が編集した「ひとり情シス列伝」の第三章は、従業員600人超の中堅企業でひとり情シスをされている中堅企業の中川一夫さんです。企業のIT環境をフルでサポートしているケースとしては最大規模のひとり情シスといえるでしょう。
現在の中川さんは社長の右腕として参謀のような存在で、IT化やデジタル化、データ活用によるビジネスの成長戦略を推し進めています。IT関連の難関資格にも挑戦して計画的に合格するなど、とてもスマートな印象を受けます。そんな中川さんも社会に出た20年ほど前は、絶望的な状況に立ちすくんでいたようです。
中川さんはITベンダーでキャリアをスタートさせ、その後、ユーザー企業の情シスに転職しました。日本ではIT人材がIT産業側に偏っています。しかし、昨今のデジタル化の流れの中で、最近ではユーザー企業でも積極的にIT人材を増員する動きがあり、ITベンダーからユーザー企業に転職する動きもみられます。
中川さんは列伝で7つの提言をされていますが、ここではフルアウトソーシング体制についてのアドバイスを紹介します。IT系の職種は幅広いですが、さまざまなキャリア形成のストーリーを知ることで、情シス業務に役立つ部分がありましたら幸いです。
さまざまなひとり情シスや情シス担当者と話をすると、意外に自分よりもはるかに手を動かしていると感じます。私も手を動かすことは嫌いではないので、他のひとり情シスや情シスの人と話をすると、意外に自分よりもはるかに手を動かしていると感じます。私も手を動かすことは嫌いではないので、トップからの要求が年がら年中来なければ、たぶんそうしているでしょう。
わが社は帳票がとても細かいレベルで集計され、詳細なセグメントやアクティビティーベースの単価管理の傾向を把握する必要もあります。そのため、受注ベース、売上ベースでのインデックスの追加も頻繁にあります。また、毎日のように非定型データの「あのデータ抽出してくれ」「過去のデータから将来予測を類推してくれ」などの要求が来ます。こちらの方がビジネスに大きなインパクトがあるので、手を動かすならこちらだと思っています。あくまで自分が動くのはビジネス的に攻める分野であるべきだと考えています。
時間があれば全部自分でやりたいのですが、今では自分自身で理解している部分で、かつ手が足りない部分をアウトソーシングするように意識しています。自分で分かっていないと問い合わせをすることもままならないですし、問題の切り分けもできないので、しっかりとした知見を身に付けた上で、アウトソーシングすべきところは徹底するように心掛けています。
正直なところアウトソーシングの費用は年々増加しています。最初はスポットで100万円、200万円というレベルでしたが、次第に1000万円、2000万円という単位に増額しています。よくITベンダーの方にも聞かれることなのですが、ITの投資対効果をいちいち社長に説明していません。あくまで、全社の受注金額や利益が増加していく中で了承してもらっています。ITの投資対効果を明確に表せる技術があれば、会社の業績を伸ばす方が簡単ではないかと思います。