英老舗企業のDX事例–成果をもたらすのはテクノロジーではなく文化の質と育成

今回は「英老舗企業のDX事例–成果をもたらすのはテクノロジーではなく文化の質と育成」についてご紹介します。

関連ワード (DXのトレンドと成功に向けたインサイト、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 デジタルトランスフォーメーション(DX)プロジェクトに着手するとき、上質なデータを持っていて損はない。オンライン小売企業Very.co.ukは、1890年までさかのぼる会社の遺産を活用することで、英国で最も古く、最も豊富な顧客中心のデータセットの1つだと同社が主張するものを構築してきた。

 Veryは100年以上前の創設以来、数多くの重要な変革を経験している。創業してからの大部分の期間は、Littlewoodsというブランド名でカタログによるビジネスを手がけてきたが、2009年にオンラインに軸足を移し、ブランド名をVeryに改めた。これは、長年の経営不振の後、事業変革を図る試みの一環だった。

 それ以来、Veryはすべての業務の中心にデータを置いている。これにより、何十年分もの顧客、金融サービス、在庫データ、配送記録、支払い情報を活用することが可能になった。

 「当社がやっている作業は、非常に変革的なものだ」。Veryの最高データ責任者(CDO)であるSteve Pimblett氏はこのように語る。「単にウェアハウスを構築して、データを移しているだけではない。全面的な変革を、顧客中心の方法で実施しており、テクノロジーとデータがその根幹をなしている」

 2022年のVeryはオンライン専業の会社であり、独自の後払い決済(Buy Now Pay Later:BNPL)サービス「Very Pay」によって、小売サービスと金融サービスの両方を提供している。同社の紙の製品カタログは、何十年にもわたって英国の家庭のコーヒーテーブルに置かれていたが、ずいぶん前に廃止された。Pimblett氏は米ZDNETに対し、「すべてがデジタル化され、オンラインに移行している」と語った。倉庫さえ完全に自動化されているという。

 「この途方もなく豊富なデータ資産について考えてみてほしい。誰かが個別に購入したあらゆる商品、配送情報、在庫情報、さらには信用、リスク、詐欺、支払いに関する金融サービス情報が含まれている。これをデジタル体験と組み合わせれば、そのデータセットから価値を創出し、より優れた顧客中心のマーケティングとデジタル顧客体験を推進する素晴らしい機会が得られる」

 Veryのデータは11の複雑なビジネスドメインにまたがり、何百ものシステムと何十万もの資産に保存されている。これほど膨大な量のデータを処理し、そこから価値を生み出すのは、もちろん簡単なことではない。結局のところ、データがどれだけ大量にあっても、あるいは貴重であっても、意味のある方法で収集、分類、解釈できなければ価値はない。

 そこでVeryが目を向けたのが、データカタログおよびガバナンスプラットフォームのAlationだ。Alationは、データ資産の整理、インデックス化、理解を可能にするとともに、受託責任と規制コンプライアンスの維持に役立つガバナンスツールを提供する。

 Alationを使用して、さまざまな事業部門に保存されているデータを取りまとめ、解釈することで、Veryは顧客の全体像をあらゆる角度から把握できるようになった。これにより、個々の顧客がオンラインショッピング体験のどの時点で何を必要としているかを明らかにすることで、Veryのあらゆる部門が価値を得られる。

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