企業の3大課題–変革、サプライチェーン、サステナビリティーに応えるSAP
今回は「企業の3大課題–変革、サプライチェーン、サステナビリティーに応えるSAP」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
SAPは米国時間5月10日から3日間、フロリダ州オーランドで年次カンファレンス「SAP Sapphire」を開催した。オンラインでも配信されたが3年ぶりのリアルでの開催となった。コロナ禍になってすぐ単独の最高経営責任者(CEO)に就任したエグゼクティブ・ボード・メンバーのChristian Klein氏が顧客やパートナーに直接メッセージを伝えた。
Klein氏は、まず同社の本拠地ドイツに近いウクライナで起きていること、そして、この2年半にわたり世界を変えた新型コロナウイルス感染症などの取り巻く環境について触れた。「SAPは政治家でも医者でもない。だが、SAPの技術やイノベーションで支援することはできる」とKlein氏。Sapphireの会期中、参加者が国際連合児童基金(UNICEF)に募金すると、SAPも同額を寄付すると約束した。
SAPは創業50周年目を迎える。創業時には、まだ生まれていなかったという若きCEOのKlein氏は、「『世界をより良くし、人々の生活を向上させる』というわれわれのパーパス(存在意義)が今ほど意味を持つことはない」と語った。
では、世界の企業が共通して直面している課題は何か――Klein氏は、次の3つを挙げた。
(1)の変革では、2021年初めに発表した「RISE with SAP」が中心となる。包括的なビジネス変革のためのサービスや技術を提供するパッケージであり、これを立ち上げたのは、「企業の文化やDNAを変えることが最も難しい」(Klein氏)からだ。SAP自身もデザインシンキングなどを取り入れて変革を進めてきた。CEO就任前は最高執行責任者(COO)として同社の変革を進めたKlein氏の言葉は、実感を持って響く。
「Fortune 500企業のライフスパンは、この10年で50%縮小すると言われている。また、自社のDX(デジタルトランスフォーメーション)への投資に、しっかりとした成果を実感している企業は25%にとどまる」(Klein氏)
RISE with SAPでは、2021年春に買収完了したプロセス管理/プロセスマイニングの「Signavio」を使って、既存のエンドツーエンドのビジネスプロセスをベンチマークし、40万以上の顧客のデータに基づくベストプラクティスと比較できる。「百聞は一見にしかず。納得して変革を進めることができる」とKlein氏は述べる。統合と拡張を担う「SAP Business Technology Platform」も重要な役割を果たすとした。
ビジネスとITの変革を共に進めるのがRISE with SAPの特徴で、ITの複雑性を排除し、クリーン、クラウド、モジュラーの3つの特徴を備えるアプリケーション環境を得られるという。これによりIT側は俊敏性が得られ、ビジネス側の変化に、柔軟に対応できるという。さらには、クラウドを利用するため継続的に最新技術が提供される点もRISE with SAPの魅力になる。
Klein氏によると、RISE with SAPはこれまでに2000社以上が採用し、その中には375テラバイトものデータをクラウドに動かしているというIBMをはじめ、Accentureなどのパートナーも含まれる。また、2000社のうち60%が新規顧客だという。「RISE with SAPは業界、規模、既存顧客か新規顧客かに関係なく利用できる。企業に最適なトランスフォーメーションのジャーニーを、SAPが一緒に進める」とKlein氏は述べた。
Sapphireの会期中には、RISE with SAPに関してGoogle WorkspaceおよびAccentureとの提携が発表された。また、暗号通貨への対応としてBitPayと提携し、RISE with SAPで利用できるようにしたことも発表されている。