IoT×販売網で流通全体の変革へ–Retail AIと東芝テック、協業の展望語る

今回は「IoT×販売網で流通全体の変革へ–Retail AIと東芝テック、協業の展望語る」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 小売業向けのIoT機器を展開するRetail AIは、東芝テックとの共同プロジェクトの開始に伴い、10月7日に記者発表会を開催した。

 同社はトライアルホールディングスのグループ会社として、九州地方を中心に展開するスーパーセンター「トライアル」のIT分野を担っている。トライアルでは、セルフレジ機能を搭載したRetail AIの買い物カート「スマートショッピングカート」(SSC)、人や棚の動きを人工知能(AI)で検知する「リテールAIカメラ」などのIoT機器を店舗運営に活用している。

 共同プロジェクトでは、SSCと東芝テックのグローバルリテールプラットフォーム「ELERA(エレラ)」を連携して小売企業向けのソリューションを提供し、店舗運営のさらなる効率化と新たな購買体験の創出を図る。まずは小売企業数社と実証実験を行い、2023年春をめどにサービスの提供を目指すとしている。

 SSCのセルフレジ機能により、来店客はレジ待ちの必要がなくなり、導入店舗は以前より少ないレジの担当者で店舗を運営できる。加えて、商品をスキャンし忘れた時にアラートを出したり、個人の購買データを基に商品をレコメンドしたりする機能も搭載されている。同カートの導入台数は1万台以上、導入店舗は100店舗に上り、トライアルのほか、他社の小売店舗でも利用されている。

 一方、東芝テックの販売時点情報管理(POS)システムは約325万台導入されており、世界トップのシェアだという。だが、顧客の課題の多様化を受け、同社は2022年5月の経営方針発表会で成長モデル「共創による新たな価値の創出」を掲げた。その一環として同社は、自社のELERAをパートナー企業のサービスやデバイスとAPI連携することで、提供サービスの拡充を図っている。将来的には、より多くの接点から収集されたデータを基に、人手不足や廃棄ロスといった課題の解決を目指す。

 今回の共同プロジェクトにより、東芝テックはトライアルグループが持つ実店舗を通して現場に近いノウハウの獲得を見込んでいる。一方、Retail AIは東芝テックの顧客網を活用して自社のIoT機器を一層展開するとともに、自社のみでは困難だという流通全体の変革を進める。

 来店客自身が商品をスキャンするシステム「パーソナルチェックアウト」の店舗設置率は現在約30%だが、人手不足や人件費の高騰を受けて今後普及すると東芝テックは見ている。今回の協業により同社は、2025年度までにパーソナルチェックアウトの設置率を60%にまで引き上げることを目指している。その施策として、年間で2万台ほどのSSCを導入するとしている。

 東芝テック 常務執行役員 リテール・ソリューション事業本部長の大西泰樹氏は、「SSC は、“オペレーションドリブン”という考えのもと、使いやすさを重視したカート。当社のアセットと融合することで、社会課題の解決につなげたい」と意気込みを述べ、「Retail AIでは『新時代のお買い物体験を生み出し、流通の仕組みを革新する』という大きなスローガンを掲げている。この考えは、われわれの理念にも合っている」と協業に至ったポイントを説明した。

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