NECの2022年度第2四半期は増収減益–ネットワークサービス事業が肝に

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 NECが10月27日に発表した2022年度上期(2022年4~9月)連結業績は、増収減益となった。通期業績予想は7月28日発表時点から据え置いたが、総括すると、上期の想定以上の落ち込みに対し下期にどこまで巻き返せるかが今後の鍵になりそうだ。

 上期の売上収益は前年同期比5.2%増の1兆4553億円、調整後営業利益は26.0%減の311億円、調整後当期純利益は70.2%減の39億円だった。一方、2022年度通期(2022年4月~2023年3月)の業績見通しは、売上収益が前年比3.8%増の3兆1300億円、調整後営業利益が同8.2%増の1850億円、調整後当期純利益が同31.2%減の1150億円を目指す。下期偏重の傾向が強いNECだが、果たして下期に巻き返しの材料をどけだけそろえられるだろうか。

 まずは上期業績を振り返ってみたい。上期減益の理由は、ネットワークサービス事業が想定を大きく下回ったことだ。ネットワークサービス事業は、売上収益が前年同期比2.6%減の2196億円、調整後営業利益が217億円減のマイナス133億円の赤字となった。

 元々ネットワークサービス事業は、グローバル5Gへの戦略的費用が先行することから、同社は2022年度まで営業利益率が低下すると見ていたほか、厳しい投資環境を捉えて、7月時点で期初計画を下方修正していた。だが、2022年度上期の赤字は予想より厳しい結果だったといえる。

 そこには2つの理由がある。1つは、海外の5Gビジネスで戦略的受注案件として一過性の損失で55億円を計上したことだ。執行役員常務兼CFO(最高財務責任者)の藤川修氏は、「戦略的受注案件は、初期の量産ロットを戦略的価格で受注したもので、元々厳しい原価構成だった」と説明。ある程度は織り込み済みの要素だったとしながらも、「交渉が少し長引いたところに部材不足や為替の影響が加わり想定以上に資材コストが上昇した。顧客での吸収などの施策も講じているが、全てを転嫁する交渉ができなかった。対象はグリーンフィールドと呼ばれる新規参入事業者であり、交渉が厳しかった背景もある。保守的に評価して引き当てを行った」とする。

 藤川氏は、一過性の損失額で約4割を織り込んでいたが、6割は想定よりマイナスにブレたと明かす。この3カ月で大きく変化した部分だ。だが、一過性とするように、「今後は他社案件でも起きない。為替変動や部材の高騰、インフレなどコストの変動リスクを想定した価格設定や契約条件を盛り込み、不採算にならないようにしていく」とする。

 また、「まずはきちんとデリバリーし、実績を出すことが重要。そこに戦略的な意味がある。最初のロットに限定したもので、立ち上げを速めるための施策になる。その他のキャリアとは適切な価格で交渉している」と語った。

 さらに北米やインドでOpen RAN市場の立ち上がりが遅れても、欧州や日本で先行事例が生まれて、採用が促進されると判断。「ここで投資した戦略的費用を回収できると考えている」と藤川氏は述べた。

 短期的な落ち込みは、外部要因の影響で想定以上だが、長期的視点での巻き返しに自信を見せている。

 もう1つの原因は、国内キャリアの5G投資の遅れだ。特に第1四半期(2022年4~6月)の投資の低迷が響いている。これらの変動要素で、調整後営業利益に前年同期比でマイナス52億円の影響があったという。さらに、ネットワークサービスの戦略的費用が上期に偏重しており、前年同期比で45億円増加した。これも同事業のマイナス要因になっている。

 「国内キャリアでは、ネットワーク障害ヘの対応が優先されたり、組織統合に主眼を置いていたりした時期で、上期はネットワーク投資が抑制されたと見ている。下期以降の投資の回復を期待している」という。

 今回の決算説明では、ネットワークサービス事業の上期マイナス要素が一過性で、下期以降に投資意欲も回復するとの見方を強調した。ネットワークサービス事業の通期見通しも、下期偏重の国内5G案件の取り込みと海外5Gの出荷増などにより、年間では270億円の営業黒字を見込む。グローバル5G需要の成長は、長期的に見れば想定できるが、この軌道に乗るまでに時間がかかるようだと、NECの業績を圧迫し続けることになる。

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