Okta、新ID基盤「Customer Identity Cloud」を発表–IdaaSをさらに拡大
今回は「Okta、新ID基盤「Customer Identity Cloud」を発表–IdaaSをさらに拡大」についてご紹介します。
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ID管理ベンダーのOktaは11月9日から3日間、米国サンフランシスコで年次カンファレンス「Oktane 22」を開催。現地時間10日の基調講演で共同創業者兼CEO(最高経営責任者)のTodd McKinnon氏が登場し、従業員向けの「Okta Workforce Identity Cloud」と、2021年に買収したAuth0のテクノロジーをベースとする「Okta Customer Identity Cloud」の2つのソリューション体系を発表。今後の方向性を示した。
Oktaneは3年ぶり10回目の開催になる。2009年にOktaを共同創業した(当時の社名はSaasure)McKinnon氏は、現地会場に参加した6000人とオンラインの視聴者を前に、10年間の成長を振り返った。
2013年時点の顧客数は500社、従業員数は200人だったのが、現在はそれぞれ1万6000社、6000人以上に。「Tiktok」「Notion」などのサービスが登場し、Teslaが当時の年間販売台数の2倍近くを毎月販売する現在時点にあって、Oktaは2017年に上場を果たした。
クラウド化が進み、ユーザーのオンライン活動が増えている。セキュリティのリスクあるいはチャンスが増える一方で、企業ではデジタルトランスフォーメーション(DX)により顧客や従業員との関係改善、新規事業につなげる動きも加速。McKinnon氏は、「短期的なマクロ経済は不確実だが、クラウド、セキュリティ、DXはわれわれの友だち(=味方)」と述べ、「クラウドは適切な設備投資を可能にし、セキュリティに投資することはレピュテーション上のリスクなどの対策になる。DXに投資することで、競合の一歩先を行ける」と続けた。
「Oktaは3つ全てを促進する」――というのがMcKinnon氏の主張だ。Oktaによって企業は、クラウドを自由に選んで使うことができ、優れたID認証の体験を通じてセキュリティを担保でき、それが顧客や従業員の体験改善につながり、デジタル化を加速できるとする。
「Oktaの前は、アプリケーションやサービスのIDが“サイロ化”しており、ID基盤はオンプレミスの自社プラットフォームにロックインさせていた」とMcKinnon氏はいい、その例にMicrosoftの「Active Directory」を挙げた。
McKinnon氏は、Oktaという社名が「雲(英語でCloud)」の量を示す単位を由来とすると明かし、中立、独立を同社の最大の特徴とすることで、「全てに接続できる」と述べる。「セキュリティと選択肢の両方を得られる。顧客はサービスやアプリケーションを通じて、クラウドにある最新のイノベーションを享受できる」(McKinnon氏)
「OktaはIDに関する問題を解決し、クラウドを自由に選択できるようにする。われわれのID技術は、特定のサービスにロックインすることを目的としていない」とOktaの特徴を説明した。
そのベースになるのが、「Okta Identity Network」(OIN)だ。事前統合済みのIDスタックで、プロトコルや複雑な手法を扱うことなく、Oktaの認証を利用できる。「Office 365」「Slack」「Zoom」「Box」などの7000以上のアプリケーションがあり、Amazon Web Services(AWS)などのIaaSもある。