ヨドバシカメラ、仏企業のピッキングソリューション採用–1時間以内の出荷に期待
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ヨドバシカメラは、フランスに拠点を置くExotec SAS(Exotec)の日本法人Exotec NIHONとパートナーシップ契約を締結し、Exotecの自動ピッキングソリューション「Skypod」を複数の倉庫施設で運用する。Exotec NIHONが12月6日に発表した。
Exotecは2015年に創業し、11カ国で事業を展開する。小売や「サードパーティーロジスティクス(3PL)」と呼ばれる運送業者を顧客に持ち、数年以内に売上高10億ドルの達成を目標に掲げる。日本では2019年にユニクロとパートナーシップを締結し、サービスを提供している。
同日開催の説明会に登壇したExotec 共同創業者 兼 最高経営責任者(CEO)のRomain Moulin(ロマン・ムラン)氏は、Skypodについて「性能と柔軟性の両方が高い」と説明する。性能面では、高さ12メートルまで昇降する3次元立体走行自動搬送ロボットを活用し、高密度な保管を可能にするとともに、従業員の手作業を自動化して倉庫業務全体を効率化する。柔軟性の面では、サービスをモジュール型で提供しているため、顧客は自社のニーズに合った形で利用できる。また、従来の自動ピッキングソリューションと比べて2倍の速さで実装・稼働が可能だという。
Moulin氏は「小売業界は変化のスピードが速く、将来必要となる設備を予測するのが難しいという課題があるが、Skypodは顧客のニーズに柔軟に対応できるので、『4~5年先もご安心ください』と胸を張って言える」とアピールした。
説明会には、Exotec NIHON 取締役社長の立脇竜氏も登壇し、国内事業を説明した。日本法人は2019年に設立され、都内にオフィスを構える。製品の遠隔監視と異常時の遠隔修理を行う「コントロールセンター」をフランスと米国のほか、日本にも設置。日本法人名を「JAPAN」ではなく「NIHON」とするのは、「日本市場に根を張ってビジネスを行い、日本のお客さまが本当に活用できるソリューションを提供するという思いを込めた」(立脇氏)とのことだ。
同社は2025年に年間売上300億円を達成し、マテリアルハンドリング業界の上位5社に入ることを目指している。「1990~2000年代に設置された自動倉庫は設計思想が古く、ECやオムニチャネルが普及している現在は、威力を発揮できていない。われわれのソリューションは、急速に進化する市場においても『お客さまに速く物を届ける』ことを可能にする」と立脇氏は自信を見せた。
ヨドバシカメラは、2022年夏に稼働中の施設をいくつか見学した上で、「これなら今後の物流を任せられる」とし、採用を決定したという。説明会に登壇した代表取締役社長の藤沢和則氏は「自社ECサイト『ヨドバシ.com』を中心に、ECで購入するお客さまは多い。10年ほど前から他社のロボットを試験導入していたが、『お客さまからの注文を受けて1時間以内に出荷する』という社内の基準には満たなかった。これからSkypodはこれから本番稼働を迎えるが、われわれの物流スピードに付いてこれる性能を発揮してもらえるのではないか。当社は約850万SKU(在庫管理上の最小単位)もの商品数を扱っており、その数は日々増えているが、Skypodは『高密度かつスピーディーに出荷する』という条件を満たしている」と期待を寄せた。