パーソルP&T、DX・デジタル人材育成の傾向を発表–「実践的な学び」が不可欠
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パーソルプロセス&テクノロジー(パーソルP&T)は12月13日、「DX・デジタル人材育成トレンド調査2022」の結果を発表した。この調査では、各社のデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の目的や育成における課題、教育方法など、DX・デジタル人材育成に関する傾向を明らかにしている。
同調査は、パーソルP&Tが9月27~28日に実施し、自社のDX人材育成に関与、もしくは関与する予定の企業の会社勤務/会社経営者1000人から回答を得た。
同調査によると、DX・デジタル人材の育成について、「取り組んでいるがDXにつながらない」(28.2%)、「推進できる人がいない」(27.4%)、「ニーズに合った育成サービスがない」(25.3%)が課題として多く挙げられた。また業種別で見ると、「建設業」では「予算がとれない」(36.4%)、「運輸業、郵便業」では「対象者が決められない」(32.3%)が最も高く、育成の初期段階に課題があることが浮き彫りとなった(図1)。
教育方法を経営層、管理職層、一般社員層の階層別で見ると、いずれの層でも「自社のeラーニング」が最も高く、「自社内製の研修」と「社外の専門家による研修」も各層の上位3項目を占めた。また、教育内容について尋ねたところ、「人工知能(AI)/データ」が46.5%と最も高く、「DX企画」が38.8%、「DX基礎知識」が35.3%と続いた。
次に、DXの育成が必要な人材を「DX人材のレイヤー」に沿って見ていく。DX人材のレイヤーは、「現場でデジタルを活用できるデジタル活用人材」(レイヤー3)を土台に、「現場でDXを企画・推進するデジタル変革人材」(レイヤー2)、「高度なDXスキルを有するデジタルコア人材」(レイヤー1)と続く。企業が、DX推進の目的を達成するために最も必要としているのは「レイヤー2」(65.6%)で、以下「レイヤー3」(46.2%)、「レイヤー1」(42.5%)と続いた。
さらに詳しく見ていくと、「新しいビジネスの開発」「新しい販路の確立」「マーケティングのデジタル化」をDX戦略の目的にしている企業は、「レイヤー1」の人材を必要とする傾向が見られた。一方、「データの利活用」や「働き方改革」を目的に据える企業は、「レイヤー3」の人材を必要とする傾向があるようだ(図2)。
企業がDX・デジタル人材を育成するに当たり、どれくらいの予算をかけているのだろうか。最も多かったのは、1人当たり「10万円以上~50万円未満」(22.8%)だった。次に多いのは、「50万円以上~100万円未満」(16.9%)。業種別で見ると、「運輸業、郵便業」「医療、福祉」では「100万円以上」がそれぞれ12.9%、10.5%と10%を超えており、他業種と比べて高い傾向にあるという。また、「医療、福祉」は「50万円以上~100万円未満」も26.3%と他業種より高いことから、1人当たりの教育予算が高く設定されているようだ(図3)。
パーソルP&T ワークスイッチ事業開発統括部 部長の成瀬岳人氏は同調査の結果を踏まえ、以下のように述べた。
「デジタル人材育成の課題として『取り組んでいるがDXにつながらない』と回答した人が多かった。DX推進につながるデジタル人材育成を本格化させるためには、経営、管理職、一般社員と階層別に担うべき役割と養うスキル・能力を設定し、幅広い対象者にインプットだけでなく、アウトプットも含めた『実践的な学び』の機会を増やしていくなど、育成方法を見直し、抜本的にやり方自体を変えていくことが求められる」