デジタルを活用したGX/SXで経済社会の変革を進めよ
今回は「デジタルを活用したGX/SXで経済社会の変革を進めよ」についてご紹介します。
関連ワード (松岡功の一言もの申す、経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
2023年最初の「一言もの申す」では、デジタルを活用したグリーントランスフォーメーション/サステナビリティートランスフォーメーション(GX/SX)によって経済社会の変革を進めよう、と訴えたい。
「GXは、気候変動問題という社会課題の解決と共に、活発な国内投資を生む成長戦略の切り札であり、エネルギー安全保障上も重要である」
日本経済団体連合会(以下、経団連)会長の十倉雅和氏は、新年メッセージの中でこう語った。持続的な経済成長に向けて国内投資の活性化が不可欠と見る経団連にとって、GXは「成長戦略の切り札」と映っている(写真1)。
折しも日本政府が先頃、2050年に脱炭素社会を目指すGXの具体的な戦略を決めた。2023年からまさに政財界を挙げてGXに向けた取り組みを力強く進めていこうという姿勢を感じる。その一方で、政府が決めた戦略はエネルギー供給者側に依存した内容で、産業構造やライフスタイルの変革といった構造改革に踏み込んだ内容にはなっていないとの指摘もある。
このGXに先駆けて、ここ数年、企業をはじめとして至る所で使われるようになってきた印象があるのが、SXという言葉だ。SXは、環境、社会、経済にプラスの変化をもたらすために事業を変革することである。サステナビリティーは「持続可能性」を意味する。例えば、継続的なモニタリングによるエネルギー使用量や二酸化炭素排出量の削減、官民連携によって必要な人に必要なサービスが届く新たな公共サービスの提供などが挙げられる。
企業の視点からすると、SXには環境問題に対応するGXの要素も包含されていると解釈できることから、GXも含めたSXを経営課題として取り上げるところが多いようだ。ならば、多くの企業においてSXの取り組みが進んでいるのかというと、そうでもないとの調査結果もある。
富士通が先頃発表した「グローバル企業におけるSX動向調査」によると、61%の企業は自社のSX計画が前進していると回答しているが、実際には、「サステナブルなサプライチェーンとエコシステムの開発」が9%、「環境危機への対策」が7%、「ネットゼロの達成」が2%など、SXの重要事項への対応を完了したのは1割に満たない結果となった。こうしたことから、同調査レポートでは「サステナビリティーに対する企業の前向きな意識と、実際の進ちょくとはかけ離れている“サステナビリティーギャップ”が浮き彫りになった」との見方を示している(図1)。