製品やサービスへのAI実装を進めるマイクロソフト

今回は「製品やサービスへのAI実装を進めるマイクロソフト」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 日本マイクロソフトは3月16日、直近のAIに関わる活動を説明した。昨今の大手IT各社がAIを用いた自社製品・サービスの強化に努めているが、代表取締役社長の津坂美樹氏は、「われわれのアプローチは『有意義なイノベーション』『人と組織のエンパワーメント』『責任あるAI』の3つ。企業規模を問わずに支援していく」と述べ、「クラークの三法則」(SF作家Arthur C. Clarke氏が定義した法則)から、「物事の可能性の限界を発見する唯一の方法は、限界を超えて見ること。われわれはAIで無限の可能性への扉を開ける」(津坂氏)と同社の姿勢を説明した。

 Microsoftは、長年にわたってAIの開発・利用に取り組んできた。Microsoft Researchによる研究を通じて、AIチャットボット「りんな」や、クラウドから画像や音声・言語分析機能を用いる「Azure Cognitive Services」を生み出している。古くは、「Hotmail」の迷惑メール判別にもAIを使用していた。

 その潮目が変わったのは、2019年7月に発表したOpenAIとの戦略的提携だ。OpenAIが2020年6月に発表した大規模言語モデル「GPT-3」でAI活用の有様が一変。Microsoftは、コードを学習結果から引用する「GitHub Copilot」、大規模学習モデルをAPI経由で使用する「Azure OpenAI Service」、AIが対話型で提案する検索サイトの新「Bing」などをプレビューもしくは一般提供し、あらゆる製品・サービスにAIを展開する勢いだ。OpenAIが米国14日に発表した「GPT-4」も、近日中にAzure OpenAI Serviceで利用可能になり、新BingもMicrosoftが独自実装したGTP-4ベースの技術が用いられるという。

 Microsoft AIは国内でも拡大しつつあり、パナソニック コネクトが全社員1万2500人にAzure AI Serviceで構築したAIチャットボットを展開済みだ。生産性向上を目的とするアイデア出しをCopilot(副操縦士)が支援する。執行役員 常務 クラウド&ソリューション事業本部長の岡嵜禎氏は、「今後はAIに対する質問力が重要になるといわれているが、(AIから適切な回答を導く)プロンプトエンジニアに必要な能力の向上・醸成に取り組んでいる」とした。

 スタートアップ企業によるAI活用も広まり、日本マイクロソフトの「Microsoft for Startups」経由の支援がある。「月間約4000万人が利用するメディアプラットフォームのnoteは、Azure OpenAI Serviceを記事タイトルの提案や文章レビューなど創作活動を支援する機能を実装した。PKSHA Technologyは、『PKSHA AI Helpdesk for MS Teams』を通じた企業のデジタル変革を支援する。ブランド体験向上を目的とするBX Platform BOTCHANに活用している」(岡嵜氏)。

 また、日本マイクロソフトのAzure AIパートナー企業は32社に上る。

 こうした製品・サービス以外にも同社は、BIソリューションの「Power BI」でも、「早期にOpenAIを実装し、2021年には自然言語の対話から分析レポートを自動生成する機能をDAX関数で実現した。SQLクエリーを書かずに迅速な意思決定とアクション(が可能)」(Azureビジネス本部 GTMマネージャーの小田健太郎氏)とするなどの展開を図る。

 「Microsoft Teams」でも音声ノイズの除去やカメラ画像の背景合成にAIを利用しているが、上位エディションのMicrosoft Teams Premiumでは、「GPT-3.5」による会議中の話者の発言の書き起こし、要約を生成して自動的に議事録を作成する。「録画データもチャプターに分けて会議中の話題を可視化できる」(小田氏)できるという。

 「Microsoft Dynamics 365 Copilot」では、CRMやERPで行う作業をAIが支援。「顧客応対メールの自動生成、マーケティングやカスタマーサポート部門が行う作業も(多角的に))AIが支援」(小田氏)する。

 Microsoft Power Platformの領域でも、自然言語での開発を支援する「Power Virtual Agents AI Builder」を実装する。Azure OpenAI Serviceを通じて、想定外の質問にも柔軟に対応した高度なチャットボットを構築できるようになった。こうした広範にわたる同社のAI実装だが、小田氏は、「AIの能力の洗練されるに伴い、必要な計算能力は10倍から50倍に増加する」とし、ハイパフォーマンスコンピューティング用途向けに「Azure AI Infrastructure」を提供していると説明した。

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