アステリア平野社長が説く「生成AIのこれからの姿」とは
今回は「アステリア平野社長が説く「生成AIのこれからの姿」とは」についてご紹介します。
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本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、アステリア 代表取締役社長/CEOの平野洋一郎氏と、Trellix 常務執行役 セールスエンジニアリング本部 シニアディレクターの櫻井秀光氏の発言を紹介する。
AIを活用したソフトウェア製品の開発を手掛けるアステリアは先頃、メディアおよび機関投資家向けに生成(ジェネレーティブ)AI技術を活用した「ChatGPT」に関する勉強会をオンラインで開いた。平野氏の冒頭の発言はその勉強会で、AIの今後の在りようについて述べたものである。
同社が今回開いた勉強会は、ChatGPTが大きな話題になっているのを受けて、もともとAI技術の活用に取り組んできた立場から、メディアや機関投資家に向けてこの新たな技術について分かりやすく解説することを目的としたものだ。
勉強会では、ChatGPTの基礎知識や使い方を中心に注目されるポイントや用途について、同社エバンジェリストの森一弥氏が説明。続いて、同社のAI研究開発子会社であるアステリアART代表で早稲田大学の非常勤講師(博士・情報科学)としてAI技術に関する講義の教鞭も執る園田智也氏が「AI技術の進展からみたChatGPT」と題して解説を行った。
そして、最後に登壇した平野氏は両氏の話を受けた形で、アステリアのAI技術への取り組みについて説明した。ここでは同氏の話から筆者が興味深く感じた二つの点について紹介しておきたい。
一つは、同社の研究開発戦略におけるフォーカスポイントとして「4D」を掲げていることだ。4Dとは「Data」「Device」「Decentralized」「Design」のことで、それぞれの意味するところは図1に示した通りだ。平野氏は「4Dはバズワードとして流されないソフトウェアの根本的な進化の要素を表している」と強調した。この戦略においては「デザインファースト」が最大のキーワードだと筆者は受け取った。この中で、AIはデータを活用して進化させていくという位置付けの技術だ。
もう一つは、ソフトウェアとAIを掛け合わせると、どんなことができるようになるか。平野氏は、「創造性の向上」「不具合の減少」「認知の拡張」「言語の理解力の向上」といった4つを挙げた。その上で「AIを活用したソフトウェアがさまざまな製品やサービスに搭載されていく。そう捉えると、AIは単独の技術ではなく、あらゆるところでどんどんインフラになっていくだろう」との予見を述べた(図2)。
この「AIインフラ説」については、園田氏も「全てのプロフェッショナルの仕事現場でAIが水道のようなインフラとして使われるようになっていくということだ。今後は多くのビジネスアプリケーションにも標準で搭載されるようになり、業務の効率化や生産性向上に貢献していくだろう」との見解を示した。
既にそうした動きも相次いで見られるように、この分野は相当なスピードで進化し発展していくことが想定される。となると、今回のような勉強会の内容もどんどん更新していく必要があるが、アステリアには実ビジネスと共に、メディアや機関投資家、さらにはユーザーをはじめ全方位に向けて生成AIの“宣教師役”を果たしていってもらいたい。