Akamai、全サービスを「Connected Cloud」にリブランドし、クラウドへ本格参入。新たに分散型クラウドサービスを投入
今回は「Akamai、全サービスを「Connected Cloud」にリブランドし、クラウドへ本格参入。新たに分散型クラウドサービスを投入」についてご紹介します。
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CDNベンダ大手として知られるAkamai Technologies, Inc.は、既存のサービスを含む全サービスを「Akamai Connected Cloud」にリブランドし、クラウド市場への本格的に参入を表明。同時に新サービスとして分散型クラウドサービスを投入します。
米国では2月14日に発表し、日本では同社CEO兼共同創業者であるTom Leighton氏を始めとする同社エグゼクティブ3人が来日、3月2日の記者会見で発表しました。
Akamaiは既存のサービスとして、CDNによる「コンテンツデリバリー」、DDoS攻撃対策や不正検知、ゼロトラストセキュリティなどを含む「サイバーセキュリティ」を提供しています。
これに加えて、昨年買収したLinodeのテクノロジーをベースとした分散型のクラウドサービスを新たに提供開始します。
そしてこのコンテンツデリバリー、サイバーセキュリティ、クラウドサービスの3つを、新たに「Akamai Connected Cloud」にリブランドしました。
分散型サイトによる低レイテンシが最大の差別化要因
Akamaiが新たに投入する分散型クラウドサービスは、クラウド基盤が「コアサイト」「分散型サイト」「エッジサイト」の3つのレベルに分かれていることが大きな特徴です。
下図は、コアサイト、分散型サイト、エッジサイトの配置を示した図を「Connected Cloud コンピューティングサービス | Akamai」から引用したものです。
緑の点が示す「コアサイト」は、一般的なパブリッククラウドのリージョンに相当するクラウド基盤で、IaaSによるコンピュートやストレージなどを提供する機能と性能を備えています。
日本にはすでに東京にコアサイトがあり、今後大阪にも設置される予定です。
青い点が示す「分散型サイト」は、コアサイトよりも軽量なクラウド基盤として、Kubernetesやコンテナによるサービスを提供します。
Akamaiは、既存のパブリッククラウドのリージョンなどが置かれていない場所にこの分散型サイトを積極的に配置し、多くのユーザーに対してより近い場所でサービスを提供することで低レイテンシを実現し、その性能面でパブリッククラウドとの差別化を図ろうとしています。
つまりこの分散型サイトが同社の最大の差別化ポイントと言っていいでしょう。分散型サイトは今後設置予定で、現在50カ所が計画されているとのことです。
オレンジの点が示すエッジサイトは主にCDNを構成するために以前から存在しているものです。
低レイテンシを重視するアプリケーション市場を狙う
Akamai CEO兼共同創業者であるTom Leighton氏はこの分散型クラウドサービスを含むConnected Cloudを「世界で最も分散されたクラウドプラットフォームだ。世界最大ではない、ハイパースケーラーの方がよほど大きいプラットフォームを持っている。しかし我々は4000以上のPoP(Point of Presence)を持っており、これによりコンテンツデリバリ、サイバーセキュリティ、そして性能面で優れたクラウドを提供するのだ」と説明します。
そして同社のクラウドのユースケースとして、IoTアプリ、センサーアプリ、コネクテッドカー、ゲーミング、メタバースなど、低レイテンシを重視するアプリケーションやエッジでの処理を重視するアプリケーションを挙げました。
つまりAkamaiのクラウドサービスは、ハイパースケーラーと呼ばれるAWSやMicrosoft Azureなどと直接競合するのではなく、低レイテンシを重視するタイプのアプリケーション市場を狙っているわけです。
現時点ではまだこうしたアプリケーション市場はそれほど大きくありませんが、今後は大きな成長が見込まれます。同社のクラウド本格参入宣言は、これらの市場を見据えてたものだといえそうです。