トンネル工事で5Gとバーチャル空間を活用–遠隔地からリアルタイムに施工確認
今回は「トンネル工事で5Gとバーチャル空間を活用–遠隔地からリアルタイムに施工確認」についてご紹介します。
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竹中土木と演算工房、日鉄ソリューションズ(NSSOL)、リコーは、トンネル工事としては初めてローカル5Gとバーチャル空間での360度ライブストリーミングを活用し、遠隔地からリアルタイムに施工状況を自由視点で確認できるシステムを構築した。このシステムは、福島県下郷町にある国土交通省東北地方整備局発注の「国道121号湯野上2号トンネル工事」で1月より開始した実証実験でも活用している。
同システムでは、4K対応360度カメラとVRヘッドセット、広域・大容量・低遅延のローカル5G無線通信システムを活用している。切羽付近に設置された4K対応360度カメラの映像をトンネル内のローカル5G無線を通じて現場の仮設事務所に伝送する。これにより、リアルタイムに施工状況を自由な視点で確認できる。また、インターネットを通じて遠隔地にいる発注者も同様に確認できる。
さらにリコーが提供する任意の空間をVR上で再現するソリューション「RICOH Virtual Workplace」を活用し、バーチャル空間上でさまざまなデータを組み合わせることにより遠隔地からの施工状況確認を実現した。
施工確認では、まず360度カメラ「RICOH THETA」と「RICOH Live Streaming API」を活用し、4K映像の360度ライブをバーチャル空間上に再現。現場映像の自由視点、リアルタイムな確認を可能にした。また音声も配信でき、岩片をハンマーで叩いた時の打撃音による岩の差異の判別も行うことが可能となった。
その他に地形やトンネルの3Dモデルを取り込み、資料や属性情報と組合せ、工事進展や切羽の状況を連続・立体的に確認できるようにした。施工確認に複数人が参加した場合、物理的に離れた場所にいる人もアバターとして同じバーチャル空間に入り、自然で自由なコミュニケーションができる。
なお、3Dモデルへの各属性情報の付与に関しては、演算工房が提供する「CyberNATM」上で作成された各情報を3Dモデルへ自動的に付与することで施工管理の効率化を図っている。CyberNATMは、山岳トンネル(NATM)工事の測量・計測データの収集・管理を行い、施工管理の一元化を担う。
今回の同システム構築・運用における各社の役割は、竹中土木が元請としてトンネル工事の施工と現場管理を実施し、同システムの導入を企画した。導入後のシステム運用を担当するとともにローカル5G免許人として免許取得を実施した。
演算工房は、トンネル工事におけるさまざなな測量技術、ICT活用の専門家として、同システムの設計導入、導入後の運用支援を担当した。 NSSOLは、NOKIA製のローカル5G無線通信システムの設計導入、導入後のシステム保守を担当した。リコーは「RICOH Virtual Workplace」を提供と運用支援を担当した。