富士通、ブロックチェーンシステムを連携させるデータトラスト基盤の試作環境を提供
今回は「富士通、ブロックチェーンシステムを連携させるデータトラスト基盤の試作環境を提供」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
富士通は、自社のデータトラスト基盤「Data e-TRUST」に、複数のブロックチェーンシステムを容易に連携させる独自の「ConnectionChain」技術を試験的に統合し、複数の経済圏を柔軟かつ安心安全に連携させる試作環境を構築、これを提供開始した。提供対象は、同社の「グローバルパートナー共創プログラム」の「Fujitsu Accelerator Program for CaaS」に参画するパートナー。
この環境は、富士通がアジア開発銀行や、ブロックチェーンベンダーのConsenSys Software(ConsenSys)、R3、ソラミツと実施した「金融証券のクロスボーダー取引の効率性や安全性」に関する実証実験で有効性が確認されている。
同実証は、欧米のグローバルセンター経由による時差や市場取引時間の相違などの理由から、決済に最低でも2日はかかっているASEANや日中韓地域におけるクロスボーダーの証券取引の効率性や安全性の向上を目的に実施された。取引に関わる金融機関全体で守られている現行の取引ルールを模した試験的なブロックチェーン環境上に、法定通貨2つの銀行残高を管理する台帳と、証券の所有権を管理する台帳を実際に構築し、ConnectionChainによって相互連携させ、クロスボーダー取引の実現を確認した。
Data e-TRUSTは、自律分散型社会を支えるために開発された富士通の「Fujitsu Web3 Acceleration Platform」内にあるサービス群「Fujitsu Computing as a Service(CaaS)」上で稼働、提供されている。
またData e-TRUSTに新たに追加するConnectionChainは、複数の外部のブロックチェーンが一つの整合性を持ったシステムとして動作させることを可能とする「拡張スマートコントラクト」を自律動作させることができる。
異なる種類のブロックチェーンを連携では、各ブロックチェーンの仕様の違いを吸収する連携部の開発が必要となるが、これに対し、今回の取り組みでは、多様な分散型台帳基盤へ連携するためのプラグイン「Cacti-LP」を取り込むことで、開発を効率化させている。
Cacti-LPは、インターオペラビリティー(相互運用性)確保を開発テーマに「Hyperledger Foundation」にて活動している「Hyperledger Cacti」が開発した。今回、ConnectionChainのData e-TRUSTへの追加においてCacti-LPを活用したことで、Hyperledger Cactiがサポートする多様なブロックチェーンへの連携がData e-TRUSTから可能となり、新たなWeb3サービスの構築が容易となる。
また富士通は、Hyperledger Cactiをサポートする他社ブロックチェーンからData e-TRUSTへ連携するためのCacti-LPも開発し、そのソースコードをHyperledger Cactiの開発コミュニティに寄贈した。これによりHyperledger Cactiを介した外部パートナー企業とのWeb3サービス提供を加速できる。