AIで山火事から人や家を救いたい–カリフォルニア州で進む取り組み
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カリフォルニアに住んでいれば、次の山火事シーズンには、自宅を失ったり、自分の命が脅かされたりしかねないと多少なりとも心配になるはずだ。この5年間の4月から10月の間に、多くの公有地や私有財産が大規模な火災に飲み込まれ、数千億ドル規模の被害と痛ましい人命の損失が発生したことはよく知られている。
2017年だけでも31万8000エーカー(約1290平方キロメートル)以上の土地が火災に遭い、1万1000棟近くの建物が被害を受けたり、全壊したりした。また、2018年にカリフォルニア州パラダイスで発生した山火事では、同州の山火事史上で最も大きな被害が発生し、1万9531棟の建物が全壊、85人が死亡した。それ以降の年も、毎年広大な土地が火災に遭っている。歴史的に見てもカリフォルニア州では山火事が多いが、歴史上規模が大きい山火事のトップ5がすべて2018年以降に発生していることを考えれば、何かまずいことが起きていると思わざるを得ないだろう。
山火事の研究者は、火災を大きくしている最大の要因は欧州諸国による植民地化かもしれないという意見で一致している。それ以前は、先住民の間に、爆発的に広がる山火事の燃料になる森林や雑木の危険な下草を、計画的に燃やして定期的に排除するという洗練された慣習があった。しかし植民地化の結果、100年以上にわたって見えないところで雑木の下草が生い茂り、山火事の勢いを増す燃料となった。スタンフォード大学の気候・エネルギー政策プログラムでディレクターを務めるMichael Wara氏は、「山火事はカリフォルニアの土地柄、避けることができないシステムだ」と述べている。「私たちは今まで、山火事を管理する方法を忘れていたようだ」
もう1つの要因は気候変動だ。私たちが今も化石燃料に依存し、家畜の飼育や農業のために森林を伐採し続けていることで、地球温暖化が進んでいる。その影響で洪水や熱波、火災などの気候現象が大規模化して被害が大きくなっており、予測も難しくなっている。近年のカリフォルニアでは定期的に猛暑や干ばつが発生しており、100年来の火種に加えて、乾燥した草地や松葉などの草葉が大規模な山火事を起こす燃料になっている。