「ハングリー精神と謙虚さ」を持って顧客を支援–ServiceNowが取り組むビジネス課題
今回は「「ハングリー精神と謙虚さ」を持って顧客を支援–ServiceNowが取り組むビジネス課題」についてご紹介します。
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ServiceNowは米国時間5月16日から、ネバダ州ラスベガスで年次イベント「Knowledge 23」を開催している。初日に行われた基調講演では、最高経営責任者(CEO)のBill McDermott氏が登壇し、「AI」や「エンタープライズIT」を中心に、ビジネスが直面する課題に対する同社の取り組みを紹介した。
同イベントは2019年の開催以来、4年ぶりの対面での開催となった。同氏は冒頭で「ついに会場に戻ることができた」と喜びを顔に表した。また同氏は、「2019年時点では今の半分の製品しか用意していなかったが、今では当社の規模は倍になった。それは、皆さまが当社を必要としてくれていることをさまざまな形で証明してくれたおかげだ」と、パートナー企業や顧客に対して感謝を述べた上で、「このコミュニティーを倍にする必要があると感じている。私たちがどこにいても、顧客のニーズにあったサービスを提供できるようにしたい」と話す。
同社では、デジタルスキルトレーニング「RiseUp with ServiceNow」を提供し、2024年末までにServiceNowのスキルを保有する100万人の人材をグローバルで育成するというコミットメントを掲げている。このコミットメントを加速し、同社のコミュニティーを広げるため、プログラムの強化を図るという。
具体的には、パートナー企業のコースを含むトレーニングカリキュラムを拡張する。今回、第1弾としてMicrosoftのコースを追加。ServiceNowとMicrosoftの専門知識を1つのプログラムに統合することで、「Now Platform」と「Azure」の2つのプラットフォームに関する幅広い知識を得られるという。これにより、両プラットフォームで活躍する人材を発掘・雇用するためのスキルエコシステムを拡充するとした。
McDermott氏は、「オペレーティングシステムやデータシステム、オンプレミスアプリケーションからクラウドプラットフォームまで、煩雑しているものをシンプルにして、この変革をリードしたい」とServiceNowの方向性を示す。さらに、インテリジェントプラットフォームとしてNow Platformを提供し、エンドツーエンドのDXに貢献していくとしている。
2020年から2年間で10年分の技術導入が加速し、同時に技術革新も10年以上加速している。同氏は、世界が非常に早いスピードで変化していることを踏まえ、「これからの18カ月は今まで以上に技術革新が活発になるだろう。歴史上、システムが世界を変えたことはあるが、ハイパーオートメーションの新しい時代はそれ以上に大きなものになる」と語る。
10年以上前からAIに投資を行ってきた同社は、現在ハイプサイクルのピークにいると言っても過言ではないという。そして、同社が提供するNow Platformは「Exponential Enterprise(エクスポネンシャルエンタープライズ)」の基盤になるだろうと話す。エクスポネンシャルエンタープライズについて同氏は以下のように説明している。
「AIにおける知的資本は物理的・金銭的資本よりも価値があり、これからはインテリジェンスが価値創造の主役になる。この瞬間を最大化するために、私たちはリニア(直線的)思考とエクスポネンシャル(指数関数的)思考の違いを理解することが重要だ。例えば直線的に30歩進むと30メートル歩けるが、指数関数的に30歩進めば、地球を26周できる距離を歩けることになる。これが2つの思考の違いだ。そしてエクスポネンシャル思考を私たちのビジネスが歩んできた道、現在、これから歩むべき道に適用して考えてみる。私はこれを『エクスポネンシャルエンタープライズ』と呼んでいる。そして、エクスポネンシャルエンタープライズは20世紀のアーキテクチャーやサイロ、サイドプロジェクトを超え、エンドツーエンドのDXに移行するだろう」
テクノロジーの世界においては、何を作り、購入し、どのように最大限の効率で運用できるかが問われている。同氏はこれに対して、「私たちはエンタープライズシステムの優先順位付けを再び行っている。これは大がかりなプロジェクトであり、私たちは皆さまのために全てを簡素化しなければならないと感じている。今後、数年間で皆さまは10億近いアプリをプラットフォーム上に構築していかなければならない。AIのスピードと人間を組み合わせることで進歩は加速する。そのためには、今まで以上に人間とAIの関連性を高めることが重要になる。私たちはこの可能性をつかみたい」とし、2日目以降の基調講演でAIを用いた新たなサービスを紹介するとした。
また、ITとビジネスの関係についても言及。「エンタープライズテクノロジーは50年前から浸透しているが、一貫して課題がある。『IT対ビジネス』というポリシーを捨て、IT戦略こそが経営戦略だという認識をすべきだ」と説明した。
同氏によると、世界のCEOの40%は「10年後、自社は存続できないかもしれない」と考えているという。しかし、その考えは今こそ変えるべきだとし、DXこそがその考えを変える原動力であると話す。テクノロジーを戦略的に使うためには、重役会議においてCEOや役員だけで決定するのは現実的ではない。エンタープライズの道を進むためには、ITサービスが必要で、最高情報責任者(CIO)と共に取り組んでいくべきであるという。
最後に同氏は、「エクスポネンシャルエンタープライズへのカギ」として、「1.エンドツーエンドのDXを実現するためのインテリジェントプラットフォーム」「2.AIロードマップ」「3.Now Platform Utahリリース」「4.テクノロジーエクセレンス」「5.顧客体験(CX)」「6.従業員体験(EX)」「7.資金調達とサプライチェーン」「8.ServiceNow ImpactとRiseUp」「9.ServiceNow Cloud Observability」「10.インダストリー」ーーの10項目を提示し、Knowledge 23における注目ポイントだとした。
「皆さまの成功が私たちの成功だ。皆さまと共により良い世界を実現することは、私たちのコミットメントでありミッションだ。厳しい時代は、イノベーションというたき火のライターの液のようなものだ。問題があれば共に解決していこう。私たちはパートナーシップを構築し、ハングリー精神と謙虚さを持って皆さまを手伝い、お客さまに勝ってほしいと思う。それは今も昔も変わらない。そして今後は、今まで以上に皆さまと協力していきたいと思う」(McDermott氏)
(取材協力:ServiceNow Japan)