三島市教育委員会、業務改善に「kintone」を活用
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静岡県の三島市教育委員会がサイボウズのクラウド型業務改善プラットフォーム「kintone」を採用した。サイボウズが発表した。
市教委は、kintoneのユーザーアカウントを市内全ての公立小中学校21校の全教員に配布し、各学校では校務や教育委員会と各学校間の業務に活用される。これにより生徒の家族構成や連絡先、通学路などを記入する家庭環境調査票や、心身の健康状態を記入する保健調査票等の調査票、各種問診票(心臓健診問診票、結核健康診断問診票、脊椎および四肢問診票)、タブレット使用同意書などの受付・管理にkintoneを活用するという。
導入効果としては、家庭環境調査票、保健調査票、各種問診票、タブレット使用同意書をkintoneで管理することで紙が不要になり、年間約1万枚以上のペーパーレス効果と書類の印刷に要する84時間程度の時間削減が想定されている。
また家庭環境調査票について、保護者から提出された紙の情報を教員が校務システムへ転記する作業が不要になり、市内の公立小中学校全体で約450時間の作業時間が削減されるという。
これまで家庭環境調査票と保健調査票、各種問診票、タブレット使用同意書は、新一年生の保護者が用紙に記入して学校に提出し、学校で受け取った用紙をファイルなどで物理的に保管していた。今後は、保護者は外部連携サービスを通じて、PC、タブレット、スマートフォンなどで記入と提出できるようになり、学校側はkintone上で受付・管理できるようになる。
今回の導入は、「学校BPR」(Business Process Re-engineeringの略。学校の働き方改革)を目的とした経済産業省による採択事業「未来の教室」において、サイボウズが2021年7月~2022年2月の間に実施した。三島市内の公立小中学校および三島市教育委員会での実証事業をベースにしたものとなる。実証事業で、市内の各公立小中学校が市教委に校舎の修繕依頼をkintoneで完結できるようにシステムを構築した。
従来は、各学校の教員が表計算フォーマットを利用して修繕依頼をしてきたが、kintoneのアプリ上で依頼登録できるようにしたところ、学校側の依頼作業時間が1件につき15分程度短縮された。市教委では、2022年度における市内の公立小中学校の修繕依頼件数975件に対し、依頼作業時間が全体で約244時間削減されたと分析。また、修繕依頼の記入漏れ、それにまつわる問い合わせ業務などが削減されたことで、業務の効率と質が大いに向上した。
今回の本格導入を受けて現場の教職員からは、「紙からデータになったことで、検索機能を使って必要な情報を集めやすくなった」「書類の破損や紛失の恐れがなくなった」「ファイリングに気を配ることが不要になり、保健室などの保管場所まで足を運ばず、PCなどからアクセスができる」などの声が寄せられているという。