ピュア・ストレージ、第4世代「FlashArray」を発表–ランサムウェア回復サービスも提供

今回は「ピュア・ストレージ、第4世代「FlashArray」を発表–ランサムウェア回復サービスも提供」についてご紹介します。

関連ワード (ITインフラ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 米Pure Storageは6月14~16日の3日間、米国・ラスベガスで年次イベント「Pure//Accelerate 2023」を開催する。初日の基調講演に先だって開かれた記者会見では、会期中に予定されている主な発表について明らかにされた。ここではその内容を紹介する。

 まず、主力製品である「FlashArray」のXシリーズとCシリーズが第4世代(R4)に進化した。主にハードウェア面での性能強化が図られており、パフォーマンスが最大40%向上するほか、インライン圧縮機能のアルゴリズム改善と処理性能強化によってデータ圧縮後の実効容量が約30%増加している。新たな関連サービスとしてランサムウェアからの回復サービスも発表された。

 FlashArrayには、パフォーマンス指向の「FlashArray//X」とコストパフォーマンス指向の「FlashArray//C」、7200rpm HDDを使ったセカンダリーストレージ市場向けの「FlashArray//E」がある。

 まずはXシリーズとCシリーズが第4世代に進化し、「FlashArray//X R4」「FlashArray//C R4」として提供が開始される。主要コンポーネントには業界最新の製品や規格が採用されており、前世代と比べて大幅な性能向上が図られているという。

 コントローラーには最新世代の「Intel Xeon」プロセッサーを搭載し、DDR5メモリーやPCIe Gen4といった最新規格に対応した。ソフトウェア面では、最新世代のストレージOS「Purity」ではブロックアクセスとファイルアクセスの統合がなされており、さらにXシリーズと/Cシリーズのアーキテクチャー統合も進展しているため、その差が分かりにくくなってきている。主な違いとなるのは、ストレージメディアの差でXシリーズではパフォーマンス重視のTLC(Triple Level Cell)を、Cシリーズでは容量指向のQLC(Quad Level Cell)を採用していることが主な違いとなる。

 ストレージメディアでは、同社が「DFMD」(DirectFlash Modules with non-volatile RAM)と呼ぶ独自仕様のモジュールが使用され、性能向上と実装密度向上を両立している。最新のQLCベースのDFMDでは最大75TB、TLCでは最大36TBのDFMDがそれぞれ使用可能だ。TLCではセル当たり3ビットのデータを、QLCではセル当たり4ビットのデータを記録できるため、36TBのTLCと同世代のQLCであれば48TB程度の容量になりそうなものだが、実際にはTLCの約2倍近い75TBに到達している。

 この点について関係者に聞いてみたところ、36TBのTLCモジュールは現状では最大レベルの容量だが、QLCに関してはいわば容量拡大にフォーカスしてパフォーマンスなどを犠牲にする決断をしたことで75TBという圧倒的ともいえる容量を実現したという。

 QLCベースのモジュールはHDDの置き換え需要を狙うEシリーズにも活用され、HDDに代わってオールフラッシュストレージがあらゆるニーズに対応していくという予想がいよいよ現実化しつつあると感じさせる。

 また、インラインデータ圧縮機能の強化に関しては、独自開発のデータ圧縮アルゴリズムをさらに改良して圧縮率を高めるとともに、新しいハードウェアアクセラレーターを開発・実装したことで、データ圧縮の処理能力を高めた成果だという。最新世代のハードウェアを活用し、さらにその機能や性能を享受できるようソフトウェア側の最適化も図るアプローチは、このところの同社の製品戦略の中核を成すものだ。

 同社が半導体メーカー製のSSDではなく独自開発のDFMDの活用にかじを切った理由も同様で、ハードウェアとソフトウェアの両方を自社開発し、統合的な最適化を図っていくことで、競合他社が容易に追従できない高水準の製品を投入できていると言えるだろう。

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