TDCソフト、エンタープライズアジャイル事業で売り上げ10億円めざす

今回は「TDCソフト、エンタープライズアジャイル事業で売り上げ10億円めざす」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 TDCソフトは7月4日、エンタープライズアジャイル事業本部の事業戦略発表会を開催した。

 同社は、システム開発を中心としたソフトウェアサービスの提供を得意とする独立系システムインテグレーター(SIer)。2023年3月期の連結売上高が352億2420万円で、4月1日現在で従業員数は2170人とエンタープライズアジャイル事業本部 担当取締役である北川和義氏は述べる

 エンタープライズアジャイル事業に取り組む背景として、「企業のDXを成功に導く手段としてのエンタープライズアジャイル」という考えがある、とエンタープライズアジャイル事業本部 本部長 執行役員を務める上条英樹氏は説明する。

 DXについて「他者がやっているから自社で進めている」「従来のプロセスを変えずに小手先のITで変えようとしている」「従来型のマネジメントスタイルで進めようとしている」「自社の組織と合わない・違うといって新しいやり方を拒絶する」といった課題が日本企業では見られるという。

 DXを推進するためには、企業の戦路に基づいたビジョンの設定、全社や組織レベルでのプロセスや企業文化の変革、DXを推進するためのリーダやメンバー育成が必要と上条氏。DXを進めることで社内プロセスを変えることが必要となるが、アジャイルのマインドセットや取り組みは、変化に対して柔軟に取り組むことができる特性を持っているという。その特性を企業全体に広げていくことで、経営・事業として変化に追随できるようになる。

 世界のエンタープライズアジャイルトランスフォーメーション市場は、年間平均成長率(CAGR)が19.5%で、2026年には90兆円を超える規模になることから、日本市場もその状況に目を向け、取り組みを開始する必要があるという。このようなことから、エンタープライズアジャイル事業に関して戦略を持って進めたいとの考えを上条氏は示す。

 TDCソフトは、2015年からアジャイルの取り組みを開始し、2017年には産学共同研究を実施。日本でエンタープライズアジャイルがうまくいかない理由を整理し、導入の手引きをまとめている。2019年にはScaled Agileのブロンズパートナーに、2020年にはゴールドパートナーとなった。そして、2023年4月にエンタープライズアジャイル事業本部を立ち上げた。

 同事業本部では、自社のエンタープライズアジャイル導入メソッドを活用したビジネス拡大を考えており、具体的には「日本企業のビジネスアジリティー向上のために欧米の成功事例を活用し日本企業におけるエンタープライズアジャイル導入の障壁を取り除き、顧客自ら時代の変化に適応できる組織作りを促進させる」のが戦略だと上条氏。

 戦術としては、世の中のエンタープライズアジャイル成功事例に学ぶことが挙げられるが、2万社の導入実績があるScaled Agileのフレームワーク「SAFe」を活用する。さらに、企業におけるエンタープライズアジャイル導入障壁を取り除くため、6年間の経験で蓄積したノウハウを生かす。

 展開方法は、コンサルタントが独自の導入メソッドを活用して組織変革を支援し、システムインテグレーション事業部がシステム開発に対応する。最終的には、顧客企業自体で組織改革ができる組織を作れるようになるのを支援する。

 導入メソッドは「認知・インプットフェーズ」「準備フェーズ」「実践フェーズ」に分かれる(図1)。認知・インプットフェーズは、7つの項目で構成されて40強ある質問に回答する「ビジネスアジリティアセスメント」を実施し、組織・チームの状態を可視化。分析結果に基づき、適用するアクションのスケジュールなどを決定する。

 準備フェーズは、組織全体への適用、チームの適用ごとに、自組織内で実践できるようになるためのビジョン・目標の定義、プロセスの見直しや、チーム、人材の実践トレーニングを行う。このフェーズは、経営層向け(図1内「For Enterprise」)とチーム向け(同「For Team」)に分かれた「2Wayアプローチ」が取られ、それぞれに適した内容が用意されている。

 実践フェーズは、TDCソフトのコンサルタントが伴走しながら、実際に組織改革をし、エンタープライズアジャイルが可能になる仕組みを作っていく。実践フェーズに入った後も定期的にビジネスアジリティアセスメントを実施する。

 提供サービスメニューとしては、SAFe認定コンサルタント(SPC)がコンサルティングやトレーニングを提供する「コンサルティングサービス」「SAFeトレーニングサービス」などの6つで構成される(図2)。主な対象企業は、大手・グローバル企業や中堅企業だという。

 同社では2026年までの目標として、SPC 50人、SAFeトレーニングクラス開催150回、SAFeトレーニング受講者3000人、コンサルティングサービスを含んだ売り上げ10億円を掲げている。

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