AI活用で盛り上がる日本はSnowflakeにとって絶好の機会–スルートマンCEO

今回は「AI活用で盛り上がる日本はSnowflakeにとって絶好の機会–スルートマンCEO」についてご紹介します。

関連ワード (ビッグデータ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Snowflakeは9月7日、プライベートイベント「Data Cloud World Tour Tokyo」を翌日に控え、報道機関向けに事業説明会を開催した。

 Snowflake 最高経営責任者(CEO)のFrank Slootman氏は、日本が米国に次ぐ世界第2位の市場であるといい、その熱量は驚くほど高く、顧客から大きな刺激を受けているとした。現在の顧客数は国内で約500社を数えるが、今後18カ月以内に倍増すると見込んでいる。

 同氏はさらに、「これは日本市場の強さを示すだけでなく、データ駆動型戦略への関心の高さもうかがわせる。また、世界と同様に日本でも人工知能(AI)が重要なテーマになっている。Snowflakeのプラットフォームとその革新的な技術を日本に届ける絶好の機会だ」と大きな期待を寄せた。

 続いて、Snowflake プロダクト担当上級副社長(SVP)のChristian Kleinerman氏が同社製品の最新動向と機能強化について説明した。

 データウェアハウスを中核とするデータ活用基盤をクラウドで提供してきた同社が提唱するのが「データクラウド」という概念になる。この概念は、この数年でデータレイク、データエンジニアリング、人工知能/機械学習(ML)、アプリケーション、サイバーセキュリティ、マーケットプレイスなども含め、徐々に強化されてきた。

 「Snowflakeが最も重要にしている点は、データの保護と活用の両立にある」(同氏)とし、オンプレミスやクラウドのデータウェアハウスなどさまざまなシステムから移行してきた8000社超の顧客をグローバルで獲得しているとアピールした。

 Kleinerman氏は最近の機能強化について、「シングルプラットフォーム」「デプロイ、ディストリビュート、マネタイズ」「トレードオフのないAI/MLの提供」の大きく3つに分けて説明した。

 1つ目のシングルプラットフォームについて、同氏は「新機能が継続的にリリースされているにもかかわらず、単一のプラットフォームであるということが非常に重要」とし、過去12カ月間でもパフォーマンスを定期的に改善してきたと話す。

 同社では、Snowflake上で稼働するワークロードのパフォーマンスを測定する「Snowflakeパフォーマンス指数」というものを導入しており、これが過去12カ月で15%改善したという。「Snowflakeはコンピューティングリソースの実行時間によって費用が決まるビジネスモデルを取っているため、パフォーマンスが高速になるほどコスト効率が高くなる」(Kleinerman氏)

 同氏はさらに「われわれはSnowflake上でリソースがどのように使用されているかを可能な限り可視化したいと考えている。顧客が消費するリソースの量を視覚的に確認したり、アラートや消費量の上限を設定したりできるツールを多数備えている」と強調した。

 このほか、同社が開発した大規模言語モデル(LLM)の「Document AI」についても触れた。Document AIは、文書ファイル内のテキストや画像を抽出し、例えば、請求額や契約条件などについて自然言語で質問すると、自動的に回答が得られ、必要に応じて結果を微調整できる。MLを活用したアナリスト向けの支援機能なども紹介された。

 2つ目のテーマは、Snowflakeのプラットフォーム上での展開、配布、収益化になる。同社は、データをリアルタイムに共有・売買できる「Snowflakeマーケットプレイス」を展開している。現在は2000を超えるデータが流通しており、直近ではSnowflake上で構築したアプリケーションを公開して収益化することも可能になっている。

 「アプリケーションにデータのコピーが作成されるに、ガバナンスとセキュリティの確保が困難になる。データをアプリケーション側に持ち出すのではなく、アプリケーションとビジネスロジックをデータの近くで実行できるようにすることが必要だ」(同氏)

 3つ目のトレードオフのないAI/MLの提供では、「組織がセキュリティを犠牲にせずにデータから価値を引き出すにはどうすればいいのか」という課題に対する取り組みになる。

 Kleinerman氏はこの戦略の柱として開発者向けフレームワーク「Snowpark」を紹介した。Python、Java、Scalaで記述されたデータ処理やパイプラインを、Snowflakeの処理エンジン内でデータを移動することなく実行できる。開発者は使い慣れた言語を使ってSnowflakeに格納された大量のデータを容易に処理可能となる。

 同氏によると、現在8000社の顧客のうち30%超がSnowparkを毎週使用しており、1日当たりのクエリー実行数は1000万件以上に達するという。Snowparkの機能強化では、Snowflake上でDockerコンテナーをホストすることができる「Snowflake Container Services」が紹介された。

 生成AIについて、同社は6月に開催した「Snowflake Summit 2023」でNVIDIAと提携したこと発表。LLM開発用の「NVIDIA NeMo」プラットフォームとNVIDIA製GPUをベースにしたアクセラレーテッドコンピューティングを利用して、チャットボット、検索、要約生成などの高度な生成AIサービスのためのカスタムLLMを、企業がSnowflake内の自社データを活用して安全に作成できるようにする。

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