マイクロソフトとオラクルが協業拡大–それぞれの思惑とは

今回は「マイクロソフトとオラクルが協業拡大–それぞれの思惑とは」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、松岡功の一言もの申す等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 「Microsoft Azure」上で「Oracle Database」を利用できるようにする「Oracle Database@Azure」を発表したMicrosoftとOracle。協業拡大に向けたそれぞれの思惑を筆者なりに探ってみたい。

 「Oracleとのパートナーシップ拡大により、Microsoft AzureがOracle Databaseサービスを実行できるOracle以外の唯一のクラウドプロバイダーとなることで、お客さまによるクラウドを活用したイノベーションの創出をさらに支援できるものと期待している」(Microsoft 会長 兼 最高経営責任者〈CEO〉のSatya Nadella氏)

 「Azureのデータセンターに『Oracle Exadata』のハードウェアを配置することで、お客さまは最高のデータベースとネットワークのパフォーマンスを享受できるようになる。Microsoft との協業により、このクラス最高の機能をお客さまに提供できることを誇りに思う」(Oracle 会長 兼 最高技術責任者〈CTO〉のLarry Ellison氏)

 MicrosoftとOracleが米国時間9月14日、クラウド事業での協業拡大を発表した。発表は、両社のトップが進行役の質問に答えながらの会談形式で行われ、Nadella氏とEllison氏のツーショットが話題を呼んだ。協業拡大の内容については発表記事を参照されたい。その核心については、上記の両氏の発言に集約されている。

 両社の協業、とりわけクラウド分野におけるOracle Databaseの動きについて、筆者は本連載でこれまでも幾度か取り上げてきたので、そうした背景も踏まえて考察したい。

 まず、大前提として、ユーザーにとってはAzureおよびOracle Databaseを利用する上での環境の選択肢が増える形になるので、朗報だ。ユーザーからは歓迎される動きである。

 ただ、これまでの経緯からいって、今回の協業拡大は予想された動きとも見て取れる。AzureとOracle Databaseを巡っては、まず2019年に両サービスを接続できるようにした「Microsoft Interconnect」が登場。そして2022年7月には両サービスを密接に連携させて利用できるようにした「Oracle Database Services for Azure」が発表された。今回のOracle Database@Azureは、その流れでさらに踏み込んだ第3弾の動きと見られるからだ。

 そうした経緯があるものの、そもそも両社が協業拡大を図った理由はどこにあるのか。大前提として挙げたユーザーメリットは別として、両社それぞれの思惑を探ってみよう。

 Microsoftにとっては、新サービスによってこれまで取り込めなかったエンタープライズ(大企業)ユーザーを新たな顧客対象とすることができるようになる。この点について補足しておくと、オンプレミス環境のデータベースでは、Oracle Databaseと「Microsoft SQL Server」が競合関係だが、エンタープライズユーザー向けではOracle Databaseが大きくリードしており、それがクラウド環境でも続いている状態だ。従って、Microsoftにとっては新規ユーザーを増やす絶好のチャンスを得たとの思惑があろう。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
リアルタイム処理革命が間近に–現時点では普及に偏り
IT関連
2023-09-22 18:36
とらのあなの偽サイトに注意 Google検索の上位に
セキュリティ
2021-04-24 02:40
米金融大手Capital Oneの大規模情報漏えい、AWS元従業員に有罪判決
IT関連
2022-06-22 18:41
日経平均急落:ここは「買い場」と判断–日銀がETF701億円買い
IT関連
2021-06-22 14:31
富士通製ツール「ProjectWEB」への不正アクセス調査、129組織での情報流出が判明 「正規のIDとパスワードでログインされた」
IT関連
2021-08-13 04:55
ソフトバンク、生成AI開発向け計算基盤に「SambaNova DataScale」採用
IT関連
2023-12-23 20:36
大手CDNプロバイダーFastlyで“世界的な障害” メルカリ、note、TVerなど複数サービスに影響か
クラウドユーザー
2021-06-09 19:12
オリンピック放送の厳しいルール ネット番組では競技映像が使えない?
IT関連
2021-08-04 04:47
“夏の甲子園”開催へ日本高野連がクラファン、1億円募る チケット販売断念に伴う減収で
ネットトピック
2021-07-30 15:58
企業向けバーチャルコミュニケーションプラットフォームのRocket.Chatが約20億円調達、米海軍そしてイスラム国も利用
ソフトウェア
2021-02-21 09:00
熱中症を防ぐ「暑熱順化」マニュアル、日本気象協会が公開 急に暑くなる5月は要注意
くらテク
2021-04-03 01:54
ソニー、300m先の物体を測位できるLiDAR用センサー開発 15cm単位でリアルタイム測定
企業・業界動向
2021-02-19 22:58
自然言語生成モデル「GPT-3」を「Power Platform」で–コードの記述が不要に
IT関連
2021-07-31 22:38
Arm、「Morello」ボードのプロトタイプ版を提供開始–メモリー脆弱性の一掃に向け
IT関連
2022-01-28 16:55