富士通、理研の量子コンピューターと連携するプラットフォームを提供

今回は「富士通、理研の量子コンピューターと連携するプラットフォームを提供」についてご紹介します。

関連ワード (量子コンピューティング等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 富士通は10月5日、理化学研究所(理研)やNTTらと共同開発した国産初の64量子ビット超伝導量子コンピューター「叡(えい)」と連携し、高精度に計算ができるハイブリット量子コンピューティングプラットフォーム「Fujitsu Hybrid Quantum Computing Platform」を企業や研究機関向けに提供を開始した。

 このプラットフォームは、Amazon Web Services(AWS)のサーバーレスサービス「AWS Lambda」などを活用したクラウドアーキテクチャーを実装して構築されている。富士通は理研の支援で、40量子ビットの量子シミュレーターと叡を連携するインターフェースを構築しており、プラットフォームのユーザーは、叡と量子シミュレーター共通のAPIを経由して、プラットフォームを利用する。

 富士通によれば、この仕組みによりノイズの影響からエラーを含む量子コンピューターでの計算結果と、ノイズを含まない量子シミュレーター計算結果を容易に比較でき、量子アプリケーションでのエラー緩和アルゴリズムの性能評価などの研究の迅速化が期待できるとしている。

 また富士通と理研は、量子コンピューターと高性能コンピューター(HPC)を連携させ、、量子コンピューター向けのアルゴリズムの計算の一部を量子シミュレーターで行う「ハイブリッド量子アルゴリズム」も開発した。分割計算を行う量子化学計算手法の「Density Matrix Embedding Theory」(DMET)と量子アルゴリズムを使い、大規模な対象の計算を計算量が少ない断片に分割して計算し、断片を結合する計算において部分的に量子シミュレーターを用いることにより、ノイズの影響や計算時間の増大を抑制しながら高精度の計算結果を得られるという。富士通は今後、このアルゴリズムを今回のプラットフォームでも提供していく。

 富士通と理研は、今後に1000量子ビット級の超伝導量子コンピューター実現に向けた技術開発を進め、今回のプラットフォームも活用する。より高精度な量子コンピューターが実現することで、金融や医薬開発などへの貢献が期待される。

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