Okta、「Okta AI」を発表–「AI時代はアイデンティティーがさらに重要に」とCEO
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米Oktaは10月3日から3日間、サンフランシスコで年次イベント「Oktane 2023」を開催した。10月4日の基調講演には共同創業者 兼 最高経営責任者(CEO)のTodd McKinnon氏がステージに立ち、アイデンティティーのAIセット「Okta AI」を発表。「Oktaはアイデンティティーを通じてクラウドの受け入れを加速した。今度はAIで同じことをする」と約束した。
McKinnon氏は、クラウドの盛り上がりを予兆して当時勤めていたSalesforceを退職し、2009年にOktaを創業した。「リーマンショック」(2008年の金融危機)の後で、家族に反対され、安定していた職を離れて起業することを決意したのは有名な話だ。2021年にAuth0を買収し、現在は従業員向けのID「Okta Workforce Identity Cloud(WIC)」、顧客向けのID「Okta Customer Identity Cloud(CIC)」の2つのクラウドサービスを持つ。
2022年にOktaは17億ドルを売り上げた。WICとCICの合計の月間ユニークユーザーは8億人。McKinnon氏が胸を張るのは顧客維持率だ。Oktaの顧客は1万8400社を上回り、売上継続率(NRR)は115%に達しているという。
創業から14年目を迎え、McKinnon氏は、これまでID管理を通じてクラウド受け入れを加速してきたと振り返る。「クラウドアプリケーションの(ID)管理という課題を解決してきた。Oktaの前は、アプリケーションや単一のプラットフォームにロックインされていたが、Oktaを使うことでアイデンティティーはセキュリテイと選択肢を犠牲にすることなく、安全に接続するパワフルなツールになった」と語った。
そして現在、新しいトレンドがAIだ。「5年もすれば、AIレボリューション(革命)によりツール、アプリケーション、チャットボットなどの利用が10倍単位で増えるだろう。きちんとしたアイデンティティー管理がなければ、管理ができなくなる」とMcKinnon氏は述べ、「AIの世界では、これまで以上にアイデンティティーが重要になる」と続けた。
AI時代を迎えてOktaが用意するのがm「Okta AI」だ。Oktaが顧客、同社の統合サービス「Okta Integration Network」を通じて収集し匿名化した情報、ポリシー、脅威、リスクなどに関するデータをベースとしたAIセットになる。開発者、セキュリティ、ポリシーと認証などのアクションにつなげることができる。「アイデンティティーのためのAI」とMcKinnon氏はいい、既存と新規の両方のOkta製品に組み込んだ形で提供する。
Oktane 2023では、Okta AIを利用した約10の新機能が発表された。その1つが、WICに加わる新サービス「Identity Threat Protection」だ。2024年第1四半期に一部顧客向けの早期アクセスを予定する。
Identity Threat Protectionは、IDが関連した脅威をリアルタイムに検出、緩和するもので、目玉機能の1つに「Universal Logout」がある。ユーザーのログイン後、セッションを通じてリスクを評価し、マルウェアのダウンロードなどの行為があれば、強制的に全てのアプリケーションからログアウトする。デモでは、仕事の合間に私用のメールで悪意のあるリンクをクリックしてしまったユーザーに対し、同機能がすぐに、ログインしていたアプリケーションから一斉にログアウトさせる様子を見せた。
Universal Logoutが発表されると、Oktane 2023の会場で大きな拍手が起こった。「業界で初めて、セキュリティ問題が発生すると重要なアプリケーションから自動的にログアウトすることができる」(McKinnon氏)