凸版、パワー半導体事業に参入–安定供給の支援図る
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凸版印刷は4月から、パワー半導体向けの受託製造ハンドリングサービスの提供を開始した。同サービスによりデバイスメーカーは、自社の製造工場でパワー半導体の量産需要に応えるとともに、出荷困難になりがちだった多品種小ロット品の安定供給が期待される。
パワー半導体とは、高電力・高電圧の制御に使用される半導体素子で、自動車、太陽光発電、鉄道、エアコン、データセンターなど幅広い分野で使用されている。同サービスは、ウェハ製造キャパシティーの確保が困難な車載、産業機器、ファクトリーオートメーション(FA)向けをはじめとするパワー半導体を対象とし、デバイスメーカーが保有するウェハ製造プロセスのポーティング(別の生産ラインへの移植)とウェハ製造を凸版印刷が受託する。
ウェハ製造プロセスは、独立系ファンダリビジネス専業会社のJSファンダリとの協業契約のもと、同社の新潟工場内に構築する。前身の旧三洋電機グループのLSI生産拠点として設立以来、アナログパワー半導体の生産を35年以上継続しており、パワー半導体に適した製造設備を保有しているという。
凸版印刷は2001年にLSIターンキーサービスに参入以来、ロジック/メモリー系のデバイスメーカーに半導体の委託製造(OEM)サービスを提供している。パワー半導体分野においても、生産管理・品質保証体制を構築している。
凸版印刷とJSファンダリは、JSファンダリが保有する6インチウェハ製造ラインの優先的な使用について合意している。2024年夏以降は、新設される8インチウェハラインも活用可能になる予定だという。
近年のデータセンターの建設ラッシュや電気自動車(EV)の普及により、パワー半導体の需要が増大する一方、製造キャパシティーの増強は限定的であるため、需要に対して供給が追い付かない状況が続いている。その結果、産業機器やFAなど少量多品種向けのパワー半導体の供給不足が課題となっている。そこで両社は戦略的協業契約を締結し、少量多品種の産業機器や車載、FA市場向けパワー半導体の安定供給を支援する。
今後は8インチウェハ向け製造ラインの移植に拡大させるとともに、既存製品の製造プロセス移植のほか、デバイスメーカーのパワー半導体製品を企画・設計から製造まで受託するターンキーサービスまで行う予定だという。