マイクロソフトが開発する教師向けAIアシスタント「Shiksha copilot」
今回は「マイクロソフトが開発する教師向けAIアシスタント「Shiksha copilot」」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
学校の先生が授業を適切に運営するには、教室の中で実際に生徒と過ごす以外にも、多くの準備作業が必要になる。その作業を支援できれば、先生の負担は大きく減らせる。Microsoft Researchは、まさにそれを目的とした新たなAIプロジェクトに取り組んでいる。
「Shiksha copilot」は、生成AIで学校の先生が抱えているニーズを支援するAIデジタルアシスタントだ。
このアシスタントは、先生が授業前に行っている準備作業を手伝ってくれる。これには、個別の生徒に合わせた学習体験の開発や課題の設計、実習活動の作成、授業計画の作成といったことも含まれる。
Shiksha copilotは、Microsoft Research Indiaの「VeLLM」(Universal Empowerment with Large Language Models)プロジェクトの一環として進められている、Microsoft社内のさまざまなチームによる領域横断的な共同研究プロジェクトだ。
このプロジェクトには、インドの公教育改善に取り組んでいるシクシャナ財団も関わっており、インドのベンガルール(旧バンガロール)とその周辺にある10校以上の公立学校で、試験的なプログラムを実施する手助けをしている。この試験的なプログラムの目的は、学校の先生からフィードバックを得てこのツールを改良し、さらに発展させることだ。
今のところ、その結果は有望のようだ。
授業計画を立て、翌日の授業に必要な教材を準備するのは先生の重要な仕事の1つであり、これには、授業に明確な目標を設定したり、実際に学ばせるための手段を考えたりすることも含まれる。
しかし、綿密な授業計画を立てようとすれば、多数の教材に目を通さなければならないことも多く、作業に時間がかかってしまう。Shiksha copilotは、その作業を大幅に軽減してくれる。
ベンガルールで先生をしているParimala H V氏は、Shiksha copilotを使うことで、1日に60分から90分かかっていた授業計画の作成作業が、60秒から90秒で済むようになったと述べている。
以下のShiksha copilotのデモ動画を見れば、授業関連資料が非常に簡単に作れることが分かるはずだ。Shiksha copilotは、対象学年、授業で使用する言語、カリキュラム、教科、単元などのオプションを選択するだけで、「PowerPoint」のスライド、宿題の課題、授業計画などの資料を自動的に生成してくれる。
また、別の先生であるGireesh K S氏は、Shiksha copilotが、生徒たちが興味を持てる学習活動を発見するために利用できることに気づいた。これは40人以上の生徒がいるクラスではかなり難しいことだ。
このツールは、公的な資料と民間の資料の両方に対応しているため、先生は教材作りに必要なさまざまな資料にアクセスできる。
Gireesh氏は、「Shiksha copilotは、私たちのシラバスやカリキュラムに対応しているため、これまでに試したことがある他のAIよりもずっと使いやすい」と述べている。
Shiksha copilotは、先生が利用しやすいように、WhatsAppやTelegram、ウェブアプリケーションなど、さまざまな方法でアクセスできるようになっている。
Microsoftは、この試験的な取り組みを、カルナータカ州全域や、それ以外の地域の学校にも拡大する予定だという。