第2回:ビジネスパーソンが向き合う8割を占める非構造化データの管理
今回は「第2回:ビジネスパーソンが向き合う8割を占める非構造化データの管理」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
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日常業務の中でITを駆使することは、今や当たり前になりました。古くはOA(オフィスオートメーション)という言葉が登場し、「ワープロ」などのIT機器がオフィスにどんどん普及していき、気が付くと、全社員の机の上にノートPCがあるのが当たり前の光景となりました。
「ITを利用する」ということは「データを利用する」ことと同義ですが、日常業務で利用する「データ」とは、どんなものを指すでしょうか。例えば、ERPの売上データや、それらを基にデータマイニングで得られた分析データ、あるいは日々作成している企画書や提案書などのオフィス文書、取引先や社内連絡で日々利用しているメールなど、これらは全て「データ」ですが、大別すると「構造化データ」と「非構造化データ」の2種類に分類することができます。
非構造化データのメリットは、構造化データが苦手とするさまざまな情報やナレッジを表現豊かに記録できることにあります。以前、「企業情報は全て構造化データで管理できるか?」という議論をしたことがあります。その時の結論は、例えば、社内申請書など現在は「Excel帳票」(非構造化データ)でやりとりしているものは申請プロセス自体をシステム化することで構造化データ管理ができるが、最後まで非構造化データの形で残るものが2種類あるというものでした。
その1つは契約書や請求書など法令で書面管理を求められている文書、もう1つは他者とのコミュニケーションを図るための文書です。後者には、例えば、企画書や提案書はもちろんのこと、手順書や設計図面などの文書もこれに含まれます。つまり、伝えたい内容や目的は異なれども暗黙知を形式知として他者に正確かつ効率的に伝達するには文章とイメージが優れた手段であり、これがまさに非構造化データのメリットであると言えます。
その反面、デメリットもあります。まず検索性の低さが挙げられます。もちろん、今日では優秀な全文検索エンジンが実用化されているので、インターネット上のウェブサイトのような非構造化データには、このデメリットは該当しないかもしれません。しかし対象を企業内の非構造化データに絞って考えた時、部門ごとに異なるファイルサーバーやクラウドストレージに情報が分散しており、かつ相互アクセス性が確保されていないため、情報が散在し、結果として単に検索テクノロジーの導入で解決し得る問題ではない、というのが実情ではないでしょうか。一元管理が容易ではない、これは非構造化データのデメリットであり、根幹的な課題と言えます。
前回の記事では、ビジネス文書にはライフサイクルがあり、それは大きく5つのステージから成ることを説明しました。
それぞれのステージの概要については前回記事を参考にしていただくとして、今回はステージ別に実践的な勘所をご紹介します。