KDDIテクノロジー、スマートグラスを用いた同時通訳システムの有用性を実証
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KDDIテクノロジーは12月20日、「対面対話同時通訳システム」の実証実験を行ったと発表した。同システムはスマートグラスを用いたハンズフリー化と自動同時通訳技術を組み合わせたもの。総務省委託研究においてKDDIテクノロジーが開発した。なお同実証は、同社が参画する総務省委託・多言語翻訳技術高度化推進コンソーシアムでの活動の一環だという。
実証の目的は、同システムが、イベントや展示会場など、同時通訳のコミュニケーションが求められる実用シーンにおいてどのように寄与するかを確認すること。KDDI八俣送信所(茨城県古河市)およびKDDI MUSEUM(東京都多摩市)の2か所で行われた。
実証実験後は、アンケート調査やヒアリングを行い、ハンズフリー対面対話同時通訳システムの有用性を確認している。
対面対話同時通訳システムはスマートグラスを用いてハンドサインで操作できる。利用者がお互いにスマートグラスをかけている場合は、相手の言語でスマートグラスの画面に表示/音声で発話されるようになる。また片方のみがスマートグラスをかけている場合は、手元のタブレット端末に翻訳が表示される。
さらに常時マイクONのままだと周りのノイズを拾い誤認識・誤訳の原因になるため、利用者のハンドサインを画像認識して、スマートグラスに付いているマイクのON/OFFを制御できる。
KDDIテクノロジーはデバイス、アプリケーションの開発から実証フィールドの調査・選定および実証の実施を担い、同コンソーシアムに参画しているTOPPANが全体設計とプロジェクト管理を担当した。
今回、大規模なイベントにおいて屋外でツアーガイドおよび道案内をするシーンをKDDI八俣送信所にて、展示会場内の受付およびショールーム案内をするシーンをKDDI MUSEUMにて行った。
検証内容は、(1)会話する目的を達成できたか(ガイド説明の理解、質疑応答)、(2)ハンドサインによる操作の習得は容易か(会話中のスムーズな操作)、(3)スマートグラスによる翻訳結果やアイコンの表示は適切かの3点となっている。
これに対する成果では、(1)に対しては外国人来場者はガイドが説明した内容をおおむね理解し、質疑応答ができることを確認できた。また(2)については、ハンドサインは種類が少なく単純なジェスチャーであれば分かり易く受け入れられることを確認した。(3)はスマートグラスでの翻訳結果(字幕/会話履歴)およびアイコンの適切な表示位置を確認できたという。
関連して、ツアーガイド(屋内/屋外)における複数の言語相手への多言語同時通訳の有用性や、ハンズフリーで利用できる同時通訳システムの有用性を確認できた。また操作しやすく誤検知が少ないハンドサインのパターンや、スマートグラスの画面上における目に負担の少ない翻訳結果やアイコンの表示位置などについてもそれぞれ確認できたという。