キッコーマン、しょうゆの製造ラインをデジタルツインで再現–設備管理の効率化にも
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キッコーマン食品(キッコーマン)とマーターポートは、「Matterport キャプチャーサービス」を活用し、しょうゆ造りを続ける「御用醤油醸造所」(御用蔵)のデジタルツインを構築した。同サービスを提供するマーターポートが1月9日に発表した。
御用蔵は、1939年に宮内省(現・宮内庁)に納めるしょうゆの専用醸造所として建設され、2011年にキッコーマン野田工場の敷地内に移築した。伝統的なしょうゆ造りの製法を引き継ぎ、現在も宮内庁に納める「御用蔵醤油」を醸造している。
御用蔵のスキャンは、マーターポートが撮影を代行するキャプチャーサービスで実施。LiDARとRGBセンサーを搭載するスキャナー「Matterport Pro3」を利用し、1台で空間の写真と距離データを取得した。外観や蔵の内装、しょうゆを醸造するために原料を調合して仕込むために用いる「仕込桶」の間など、細かな部分の撮影まで約3時間で完了したという。撮影データはマーターポートのクラウドサービスにおいて全自動で合成され、ウェブブラウザー上でデジタルツインとして見ることができる。
同社のデジタルツインは直感な操作ができ、専門知識を持たない人でも容易に利用できるという。例えば、デジタルツイン上で「測定モード」などを活用すると施設の屋内外や設備を計測でき、キッコーマン側で、メモや資料、動画などの追加、編集などを行うことができる。
キッコーマンは、御用蔵のデジタルツイン構築によって通常では見ることができない仕込室や蔵の内装などを再現でき、一般に向けたバーチャルツアーを提供できるとしている。また、デジタルツイン上にテキストや資料、動画を埋め込むことができるため、しょうゆ造りの伝統や食文化を発信する学びのコンテンツとしても利用する。
ほかにも、細部まで再現するマーターポートのデジタルツインでは、設備の維持や管理にも活用できるという。修繕やメンテナンスの際に関係各所とデジタルツインを共有し、デジタルツイン上で空間の寸法の計測や、デジタル空間内に指示の書き込みを行うことで、コミュニケーションの迅速化や出張費のコスト削減も期待できる。
また、バーチャルに工場にアクセスできるため、衛生面でのリスクを削減できるほか、工場への立ち入りに伴う衛生服の脱着や消毒プロセスにかかる手間を省き、工場の管理を効率化できるとしている。