MLCommons、PC向けのAIベンチマークテストを策定へ
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専用人工知能(AI)を搭載したノートPCやデスクトップPCの興隆を見越し、ニューラルネットワークのパフォーマンス評価を実施する業界コンソーシアムのMLCommonsは米国時間1月24日、PCのAI処理性能を評価する新たなベンチマークを策定するために「MLPerf Client」ワーキンググループを立ち上げたと発表した。
発表によると、この新たなベンチマークはAIの処理において、デスクトップPCやノートPC、ワークステーションのプロセッサーやシステムがどの程度優れた性能を発揮するのかを評価するものになるという。同団体は、過去5年間でさまざまなAIベンチマークを公開している。
IntelやAdvanced Micro Devices(AMD)は、デスクトップPCがAIの処理能力を新たに得ることで、PC市場の活性化につながると期待している。
ベンチマークの第1弾は、ニューラルネットワークを最初に構築する際の「訓練」ではなく、「推論」と呼ばれる推理/推定処理をコンピューターがいかに迅速に実行できるのかを評価することに注力するという。クライアント側のコンピューティング機器の大半は、ニューラルネットワークの訓練を実行できるだけの性能を有していないため、推論を出発点にするのは理にかなっている。
推論に対する最初のベンチマークテストは、Metaが開発したオープンソースの大規模言語モデル(LLM)「Llama 2」を用いるタスクを対象としたものとなる。
MLPerf Clientワーキンググループの共同議長には、IntelのIP Performanceグループの上級エンジニアリングディレクターであるRamesh Jaladi氏と、Microsoftにおけるソフトウェア開発部門のパートナーゼネラルマネージャーであるYannis Minadakis氏、NVIDIAのパフォーマンスベンチマーキング担当ディレクターのJani Joki氏が名を連ねている。
この新たな取り組みはタイムリーなものと言える。というのもPC業界の幹部らは、AIのローカル処理が、現在AI処理の大半を担っているクラウドを補佐するものとなり、低迷するPC市場の復活につながるという望みを託しているためだ。調査会社Gartnerによると、PCの販売台数は2023年に15%減少したという。
Intelの最高経営責任者(CEO)であるPat Gelsinger氏は2023年12月に開催したメディア向けイベントで、同社のデスクトップ向け最新プロセッサーである「Intel Core Ultra」(開発コード名:「Meteor Lake」)をAIプラットフォームと位置付けていた。Core Ultraには同社のデスクトップ向けプロセッサーとしては初となる、ニューラルプロセッシングユニット(NPU)と呼ばれる、AI処理に特化したアクセラレーターユニットが搭載されている。
同社によると、NPUの搭載により「前世代(の「Intel Core」プロセッサー)よりも2.5倍優れた電力効率を実現し、AIアクセラレーションにおける電力効率を新たなレベルに引き上げられる」という。
MLCommonsは、最初のベンチマークをリリースするのは数カ月先になりそうだと米ZDNET宛の電子メールに記している。