Linux Foundationとオープンソースの形はどう変わってきたか
今回は「Linux Foundationとオープンソースの形はどう変わってきたか」についてご紹介します。
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今やLinux Foundationは、Linux以外にも1000以上のオープンソースプロジェクトを抱えている。
しかし、昔からこうだったわけではない。2007年に設立された頃のLinux Foundationは、ほぼ完全にLinuxのためだけの団体だった。当時からずっとLinux Foundationのエグゼクティブディレクターを務めているJim Zemlin氏は、先日ウェブで公開されたDell Technologiesのデベロッパーコミュニティ担当マネージャーBarton George氏との対談の中で、同財団は創設に関わった人々の想像をはるかに超えて拡大してきたと語った。
物語は、LinuxがエンタープライズITの世界で本格的に受け入れられ始めた2000年代の始め頃から始まる。その頃、Linuxはすでに単なる趣味のOSではなくなっており、IBMのようなエンタープライズ企業がLinuxに数十億ドルの資金をつぎ込んでいた。その状況を受けて、Linuxビジネスの爆発的な成長を管理するために、Open Source Development Labs(OSDL)とFree Standards Group(FSG)の2つの非営利団体が設立された。
これらの団体は似たようなミッションを持っていた。OSDLは、Linus Torvalds氏やAndrew Morton氏などのLinux界の有力な開発者を雇用し、Linuxやオープンソースソフトウェアのライセンスや特許の問題に関する法律面での支援のために資金を提供するなどした。一方、FSGは、Linux Standard Base(LSB)とそのテストスイートに力を注いでいた。
この2つの団体は、お互いに目的が非常に似通っていたため、1つにまとまった方がいいと考えた。そこに登場したのがZemlin氏だった。同氏は対談で「私の仕事は、これらの組織を1つにまとめることだった。この組織はLinux Foundationと名付けられた」と述べている。
最初の仕事は、Linuxを中心としたエンタープライズエコシステムを構築することだった。「当時はほとんどの時間をMicrosoftの批判に費やし、クローズドなシステムと比べて、オープンなシステムがいかに優れているかを語っていたが、本当にMicrosoftを倒せると思っていたわけではなかった。ただ、MicrosoftとLinuxの一騎打ちだという印象を作ろうとしていたんだ」と同氏は言う。
確かに、MicrosoftがLinuxに倒されることはなかった。実際、現在のMicrosoftはLinuxをサポートしており、同社のクラウドサービスである「Azure」では、「Windows」よりもLinuxの方が多く使われている。それがSun Microsystemsが追い詰められた理由の1つになった。Zemlin氏は、「LinuxはUNIX界を飲み込みつつあった。UNIXのワークロードをLinuxに移行するのは簡単で、Linuxを使えばコストが削減できたからだ」と述べた。