日立製作所が明かすグループの事業成長を推進する「人財戦略」

今回は「日立製作所が明かすグループの事業成長を推進する「人財戦略」」についてご紹介します。

関連ワード (経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 日立製作所は10月12日、同社の人財戦略について説明会を開催した。2024年度に海外従業員比率を約60%に、役員層の外国人および女性比率をそれぞれ15%に、エンゲージメント指数で68.0%にすることを目標にしている。また、デジタル人財を9万8000人に増加させ、国内グループ企業へのジョブディスクプリション(職務記述書)の導入により、ジョブ型によるボシションを約16万用意することを明らかにしている。

 会見した執行役専務 CHRO(最高人財責任者)の中畑英信氏は、「人財戦略は経営戦略の一部で、経営戦略が変われば人財戦略も変わる。日立は2009年の経営危機を踏まえ、2010年以降、社会イノベーション事業とグローバル展開に経営戦略を大きく転換し、それに合せた人財戦略の変革を行ってきた。良い製品は売れるとの考え方から、現在は顧客や社会の課題・ニーズからビジネスを構築し、グローバルに展開していく戦略である。『2024中期経営計画』では、経営変革の継続・強化でさらなる成長の実現を目指し、人財戦略の実行を加速する必要がある」と述べる。

 日立は、高度経済成長期の市場拡大時には、国内の電力、鉄道、金融分野などの顧客の要求に基づき良い製品とシステムを提供することで成長を遂げ、その成長を維持するためには日本人・男性中心の社員構成と同じ場所で働くことが効率的であった。だが現在は、全世界で社会課題を探索し、サービスを提供するビジネスに転換。それに伴い国籍や性別などが多様化し、場所や時間に捉われない働き方が大切になりつつある。

 中畑氏は、「日立にとって必要な人財とは、世界中において社会や顧客の近くで現在および将来の課題を探索できる多様な人財であり、国と地域、事業を超えた『One Team』で業務を遂行できる組織体制や、解決策への取り組みを率先的に自立して動く文化、新たな事業ポートフォリオに俊敏に適応できる体制が必要になる」などと語った。

 日立製作所は、1999年度に29%だった海外売上比率が2021年度には59%に拡大。現在では、社員の57%が外国人であり、さらに外国人従業員の21万1000人のうち約10万人が、この3年間の合併・買収などによって増えている。

 中畑氏は、「人財戦略の変革に10年以上の歳月をかけた。まずはグローバル共通の人財基盤を確立し、それをベースにタレントの獲得やダイバーシティー&インクルージョン(多様な人材が活躍している状態)を進め、さらにマインドセットや企業文化へのアプローチを行ってきた。今後はサステナビリティー(持続可能性)目標の達成が重要なテーマであり、それに向けて人的資本を充実していく。30万超のグループ社員の力を結集し、人的資本を充実させ、継続的に顧客と社会へ価値を提供する」と述べた。

 こうした経営体制の変化の中で同社は、人財戦略の重点的なポイントに「ダイバーシティー、エクイティー(公正さ)とインクルージョン(DE&I)の推進と多様な経営リーダーの選抜・育成」「デジタル人財の確保・育成」、「グローバルでの日立カルチャーの醸成」「ジョブ型人財マネジメントの推進」の4点を定めて取り組んでいる。

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