大きく攻めに転じる–Celonis、2025会計年度の事業戦略
今回は「大きく攻めに転じる–Celonis、2025会計年度の事業戦略」についてご紹介します。
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プロセスマイニングベンダーのCelonisは3月8日、2025会計年度の事業戦略説明会をオンラインで開催した。
冒頭、代表取締役社長を務める村瀬将思氏は、同社のプロセスインテリジェンス技術が必要とされている背景を紹介。日本は名目国内総生産(GDP)が4位に転落してドイツに抜かれたことや、日本の労働生産性は世界で30位まで下降したことを挙げ、喫緊の課題とした。
同社が先ごろ開催した企業の最高財務責任者(CFO)とのラウンドテーブルについて村瀬氏は触れ、高度経済成長期のような経済成長が望めない現在、日本の社会・経済の成熟度に応じたビジネスモデルに適用することが重要との話になったと述べ、世界が今後向かう少子高齢化に向けたロールモデルを先駆けて定義する機会だとした。さらに、単なるデジタイゼーションやコングロマリットディスカウントから脱却する必要があるとの意見も挙がり、テクノロジーを導入したら終わりではなく、プロセスの標準化や合理化を進める「プロセスファースト」の必要性が語られたという。
このような状況において、Celonisは日本市場において急成長しており、現在は拡張フェーズに入ったという見解を村瀬氏は示す。
同社は、「プロセスマイニングとData Executionを通じて、人々と社会のパフォーマンスを無限大に開放し、日本企業の競争力強化と持続可能な社会形成に貢献」をミッションに掲げ、 「日本企業・社会において、データを活用した『カイゼンを越えるビジネスモデルの変革』を推進するため『新しいビジネスオペレーション』を定義する」「これにより、人にしかできない付加価値のある仕事へのシフトを促進し、人々の働き方、生き方を変え、『一人一人の人生価値の最大化』を図る」「その実現のため、自社のみならずお客さま、パートナーを巻き込んだエコシステムを作り上げ、共にこの『奇跡的なほどやりがいのある仕事』を完遂する」をビジョンとする。
これらを受けて2024会計年度は、「Connect」「Large Deal」「Value」「Talent」の領域に注力した。Connectでは、最高収益責任者(CRO)のMiguel Milano氏をはじめとした同社経営陣の来日時には、日本の顧客やパートナーとつなげることで日本市場の理解を促したという。
また、ビジネス変革の中枢を担うエグゼクティブを招いての情報交換会「Celonis CxO Club」、社内導入を率いる導入リーダーを対象とした「Celonis Champion Club」、ユーザーグループ「Celonis User Group」といったコミュニティー活動を進めるとともに「Celonis World Tour Tokyo」「Celonis Day Osaka」といったカンファレンスを開催した。2023年11月にドイツのミュンヘンで開催された「Celosphere 2023」では、富士通の執行役員EVP CDXO 兼 CIOの福田譲氏が初日の基調講演に登壇したという。
さらに、事例の紹介も重要とのことで、国内のユーザー企業に導入事例を紹介してもらっていると村瀬氏はアピールする。
Valueでは、顧客に早く価値を創出してもらうため、グローバルからの成功体験を導入するということで図1のようなスライドを作成して案内したという。Celonisで下層にあるサービス群からデータを持ってきて、さまざまな部門で活用するというグローバルのベストプラクティスを日本でも展開できるようにしている。
複数部門にわたるプロセスを可視化して改善することが鍵となることが顧客の声から分かってきており、それに応じた製品も提供されているという。「高い視座で全体最適が図れる」と同氏は述べる。一方、センターオブエクセレンス(CoE)のようなCelonis専任チームを作って活動を進めることが重要だとした。
Celonis導入によって得られる価値としては、「キャッシュフローの改善」「コスト削減」「生産性向上」が挙げられる。同社では、「バリューフレームワーク」(図2)を用意することで価値を定義しており、このような方法論が日本の顧客で定着しつつあるという。