NTT Com、“2nd GIGA”に備えたサービスを提供–生徒自身のデータ活用目指す

今回は「NTT Com、“2nd GIGA”に備えたサービスを提供–生徒自身のデータ活用目指す」についてご紹介します。

関連ワード (「GIGAスクール構想」で進化する教育現場、CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 NTTコミュニケーションズは4月9日、「活用の先、データで学びをアップデートするGIGAスクールパック」(GIGAスクールパック)の申込受付を開始した。同日に行われた記者説明会で、スマートエデュケーション推進室 担当部長の稲田友氏がGIGAスクールパック提供の背景とサービス概要を説明した。

 2019年に文部科学省が発表した「GIGAスクール構想」によって、児童・生徒の1人1台端末の環境整備が進んだ。NTTコミュニケーションズでは、2021年から全国の小中学校における約100万台の情報端末などの導入に携わるとともに、DXによる教育現場を革新する「Smart Education」の実現に向けて、学校のICT環境整備などのソリューションやクラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」の提供、活用支援を行ってきた。

 これまではGIGAスクール環境の整備が中心となっていたが、2023年度の文科省の補正予算には「GIGAスクール構想 第2期」を見据え、1人1台端末の更新費用が盛り込まれるなど、日常での活用に向けた体制・環境の整備が進む。稲田氏は「代替としてのデジタルから、データによる学びそのものの変革に向けたデジタルになる」と、教育現場におけるDXの変化を語る。

 文科省の「公立学校情報機器整備事業に係る各種計画の策定要領」では、「端末の活用状況に関し説明責任を果たしつつ、次期更新に向けた今後の支援の在り方の検討につなげていく必要があると考えている」と説明されており、稲田氏はこれを踏まえて「端末の利用・活用がどの程度進んでいるのかを計測して公表できる、あるいは説明できるようになるというのが今回の2nd GIGA(GIGAスクール構想 第2期)だと思っている」と述べた。

 同氏は、GIGAスクール構想 第2期の在り方を踏まえ、データ駆動型の教育に向けてデータに着目した提案をする必要があるが、一方で「データの活用=ダッシュボード」ではないと捉えているという。「教職員といった大人によるデータ活用ではなく、当社が第2期で目指すのは子どもたち自身によるデータ活用だ」と強調する。

 今回提供するGIGAスクールパックは、GIGAスクール構想 第2期を支援するサービスになるという。同サービスでは、「基本パッケージ」と「応用パッケージ」の2つを提供する。

 基本パッケージは、文科省の「公立学校情報機器整備事業」の補助対象となる「ChromeOS」「Windows」「iPadOS」の情報端末と端末管理ツール(MDM)、情報端末のキッティング、ダッシュボード機能、「心の健康観察」や「AARポータル」を提供する。

 応用パッケージでは、補助の対象外となる端末保証やバッテリー交換、フィルタリング、5G/LTE回線などを提供する。

 AARポータルは、経済協力開発機構(OECD)が「Education 2030」で提唱する、これからの学びのフレームワークである「AARサイクル」を元にしたサービス。AARポータルは、児童・生徒の「Anticipation(見通し)」「Action(学び)」「Reflection(振り返り)」に関するデータが蓄積され、データを通じて、児童・生徒の自分らしい学びを支援する。

 具体的には、児童・生徒が学んだ内容がARRポータルにデータとして児童に蓄積され、データを基に1週間など決まった時間で振り返りをし、次の学びを自分なりに計画する。このデータはダッシュボードにも連携して開示し、場合によっては保護者にもレポート形式で定期的に提供することもできる。

 AARポータルは、2025年春ごろにサービスの提供を開始するという。

 心の健康観察は、4つの選択肢から児童・生徒が自身のメンタルヘルスの状況に合う選択肢を回答し、教職員はその結果を確認することで、いじめや不登校の早期発見を支援する。このデータも学校経営の中や教育委員会の中でもダッシュボードで可視化できるようにするという。同サービスは2024年3月29日に提供を開始しており、GIGAスクールパックを導入したユーザーはすぐに利用できる。

 稲田氏は、「教職員や児童・生徒が無理なく、デジタルとデータでAARサイクルを実現できることを大きな目玉にしたい。それだけでなく、ダッシュボードでの活用状況の可視化も行っていく」といい、GIGAスクールパックによって教育現場でのICTの活用状況を把握・説明できるようになることで、行政や学校経営の改善につながるとしている。

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