AWSジャパン、生成AIの教育利用を推進–生成AIとデータの利用が教育領域の課題解決に
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アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は4月24日、教育領域における生成AIの活用に関する記者説明会を開催した。同社 執行役員 パブリックセクター技術統括本部長の瀧澤与一氏が、教育ICT環境におけるAmazon Web Services(AWS)の活用状況を紹介し、生成AIの活用事例としてライフイズテック 取締役 CEAIO(最高AI教育責任者)の讃井康智氏と学研メソッド 取締役の中村寿志氏が登壇した。
瀧澤氏は、AWSが教育のデジタル化を支援する背景として「AWSは教育のDXを加速していきたい。テクノロジーとデータを民主化することで、子どもたち一人一人の可能性を引き出せるのではないか。そのために教育のデジタル化は重要だ」と説明する。
一方、現状の課題として「個別最適な学びと共同的な学びの実現」や「教職員の働き方改革の実現」が難しい状況にあることを挙げた。AWSではテクノロジーやクラウド、生成AIを活用してこれらの課題の解消に貢献しているという。
AWSを活用している教育関連企業は多岐にわたり、校務支援システムを提供するSystemDや学習eポータルを提供するNEC、デジタル教科書を配信するLentranceなどが挙げられる。
瀧澤氏は、教育DXの中で「データの活用が重要になる」と指摘。行政系システムや校務系システム、学習系システムの中にはさまざまなデータが資産として管理されており、これらのデータを活用することで、教育業界の課題解決につなげることができるとしている。
特に生成AIと組織内のデータを安全に組み合わせることで、新しい価値を生み出せるという。例えば、検索サービス「Amazon Kendra」を用いて過去の問題や教材を参照し、新しいテストの問題や解説を自動で生成する。これにより、教員のテストや課題の負担を軽減しながら、学習範囲や生徒の理解度に応じた問題を作成できる。
ほかにも生成AIとデータを組み合わせることで、自動採点、教材や授業・議論の要約、記録からのレポート生成、学習補助のアシスタントなどにも役立つとしている。
同社が提供する生成AIアプリケーションの構築基盤である「Amazon Bedrock」は、さまざまな基盤モデルを用意しており、作りたい業務アプリケーションに適したモデルを選択できる。また、瀧澤氏によると、ユースケースとともに「コスト」「出力の品質」「応答速度」のバランスを考慮しながら適した基盤モデルを選ぶことが重要になるという。
AWSは、生成AIを簡単に試せる「AWS Generative AI Use Cases JP」を提供している。デプロイした瞬間から本番運用できる日本語に対応した生成AIソリューションで、エンドユーザー向けの要約や翻訳など、汎用(はんよう)的なユースケースを即座に提供できる。
ほかにも、ユースケースに最適な基盤モデルを選択する手助けとして、基盤モデルを自動で評価する「Model evaluation in Amazon Bedrock」や、不適切な言葉や機密性の高い情報が生成AIアプリケーションから誤って出力されないようにルールとして設定できる「Guardrails for Amazon Bedrock」も提供している。
今後AWSでは、データと生成AIを活用することで、教職員の働き方改革や個別最適な学びと協働的な学びの実現に寄与していくという。