われわれのゴールは「より良いネットワークを作る」ことではない–Extreme Networks
今回は「われわれのゴールは「より良いネットワークを作る」ことではない–Extreme Networks」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
2024年3月に最高経営責任者(CEO)による事業戦略説明会を開催したExtreme Networksだが、4月には技術開発面をリードするChief Technology & Product Officer and General Manager of SubscriptionのNabil Bukhari氏が来日し、インタビューに応じた。Bukhari氏は同社の技術開発戦略について、最近のAI技術の急速な進化やネットワーク業界が直面する変化などを踏まえて明快に語った。
Bukhari氏はまず、同社のパーパス(社会的意義)について「顧客が物事を行うためのより良い方法を見つけ出す手助けをする」と説明し、「それによって社会全体により良いインパクト/変化を与えることを目指している」と語った。同氏はこうしたパーパスを掲げる背景には、「われわれはテクノロジー企業ではあるが、人間性にフォーカスしている企業でもある」という考えがあるとしている。
次にBukhar氏は、現在の企業が直面する課題についての同社の認識を語った。同氏は「全てのものをつなぐ」「リソースの制約」「優れたユーザー体験」の3点を課題として挙げ、Extreme Networksはこれらの解決に取り組むとしている。
まず大前提として、「今や世界の全ての企業は『接続された企業(Connected Business)』となっている」という認識がある。ネットワーク接続は今や企業活動や人々の生活において当たり前のものとなっており、だからこそ企業はより高度なネットワーク接続を実現する必要がある。
Bukhar氏は「人もアプリケーションもデバイスもIoTも、全てを相互接続する究極的な接続性の実現は、世界のあらゆる企業が最優先で取り組む直近のゴールとなっている」と指摘し、「企業が使えるリソースは同じではない。資金や時間、技術力や人材といった企業が有するリソースの範囲内でテクノロジーを導入しなくてはいけない」とした。
同氏は「われわれは、あらゆるものを相互接続するテクノロジーを開発し、それがユーザーのリソースの範囲内で利用可能にすることで、考え得る限り最高の体験を提供する。われわれの製品ポートフォリオはこうしたビジョンに基づいて構築されているのだ」と語った。
続いてBukhar氏は、現状の製品ポートフォリオについて簡単に紹介した。まず、広範なネットワーキング製品群については「Wi-Fi製品群、有線ネットワーク製品群、SD-WANソリューションなど、あらゆる種類のソリューションを網羅しており、テレコム企業の大規模ネットワークでも、データセンターやキャンパスネットワーク、支店や遠隔拠点のネットワークなど、あらゆるニーズに対応できる」という。加えて、「単に接続するだけでは充分とはいえず、リソース効率にも配慮する必要がある。そのため、『Extreme Cloud』ポートフォリオも追加している」という。
これらのクラウドアプリケーション群を活用することで、ユーザー企業は運用する全ポートフォリオを一元管理・分析し、トラブルシューティングを行える。また、このアプリケーションはパブリッククラウドだけでなく、プライベートクラウドやオンプレミスのデータセンターなど、さまざまな環境で運用可能だとしている。
「こうした取り組みを行っているのはネットワークベンダーの中でもわれわれだけだと自負しているが、ユーザーがどのような環境で運用するとしても、同じアプリケーションを同じライセンス条件のもと同じ体験を提供できる。これは、競合他社に比べて大きな優位点だ」とBukhar氏は話す。この背後にある考え方として、同氏は「複雑性はリスクをもたらす。むしろ、複雑性はリスクそのものだと言っても過言ではない」と指摘し、複雑性を排除して製品ポートフォリオを構築しているとした。
最高技術責任者(CTO)としての立場からの企業全体の方向性を聞いたのに続き、以後は個々の技術的なテーマについてBukhar氏の考えを聞いた。