米アマゾン、AIを活用して不良品を配送前にチェック

今回は「米アマゾン、AIを活用して不良品を配送前にチェック」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Amazonから届けられた荷物の中身が壊れていたり、うまく動かなかったり、完全に揃っていなかったりするほど残念なことはない。ペットフードなど、すぐ必要な必需品であればなおさらだ。そこでAmazonは、こうした問題に取り組むための人工知能(AI)ソリューションを開発した。

 Amazonは米国時間6月3日、「Project P.I.」(P.I.はprivate investigator[私立探偵]の略)と呼ばれる取り組みを発表した。これは、生成AIとコンピュータービジョンを使って、商品に欠陥がないかどうかを顧客に届ける前に検出するというものだ。また、商品の破損をチェックするだけなく、色やサイズが顧客の注文内容と合っているかどうかを再度チェックして、誤出荷を防止する。

 Project P.I.は、北米各地のフルフィルメントセンターに導入されており、2024年中にはさらに多くの拠点で導入する予定だ。これらの拠点では、毎月膨大な数の商品がイメージングトンネルでスキャンされる。本の表紙が折れているといった欠陥が見つかれば、その商品を顧客に配送されないように隔離する。また、その問題が同じような商品で起きていないかどうかを調査する。

 その後、Amazonのスタッフが、Project P.I.によって問題ありと判断された商品を再確認して、寄付をしたり「Amazon Second Chance」で割引販売したりするなど、別の用途に使えないか判断する。Amazon Second Chanceは、開封済みの商品や認定再生品を販売するサイトだ。

 この取り組みはフルフィルメントセンターでの手作業による検品を強化し、顧客が最適な状態の商品を入手できるようにするだけではない。Amazonによれば、梱包資材の無駄や不必要な二酸化炭素の排出につながる返品を防ぐことで、より持続可能性の高い購入体験を作り出すのに役立つという。

 「当社の物流施設内でAIや製品イメージングを活用することで、破損の可能性がある商品を効率的に検出し、顧客に届ける前により多くの問題に対処できる。これは、顧客や当社の販売パートナーはもちろん、環境にとっても良いことだ」と、Amazonでワールドワイド販売パートナーサービス担当バイスプレジデントを務めるDharmesh Mehta氏は述べている。

 さらにAmazonは、マルチモーダル大規模言語モデル(MLLM)を利用して、ネガティブな顧客体験を調査している。顧客からのフィードバックをこのMLLMが精査し、Project P.I.やその他のソールから得られた画像を分析することで、問題の原因を確認する。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
「リフト&シフト」、次の課題は運用の一貫性確保
IT関連
2023-08-09 09:47
エッジコンピューティングを軸に日本市場へ本格展開–ルーメン・テクノロジーズの田所社長
IT関連
2023-01-13 14:59
AI自動翻訳プラットフォームが「Box」と連携–翻訳環境の安全性向上へ
IT関連
2022-05-11 07:24
成長が鈍化したZoomは今後も存在感を示し続けられるか
IT関連
2022-07-08 17:52
マリオのエレキギター登場 ピックやストラップ、電子ピアノも
くらテク
2021-07-02 16:04
グローバルのクラウドインフラ市場はAWS、マイクロソフト、Googleの寡占が強まり6割超に。2022年第1四半期、Synergy GropuとCanalysの調査結果
AWS
2022-05-16 22:30
プロeスポーツチーム「REJECT」運営元が3.6億円のシリーズA調達、トレーニング環境投資や新規事業開発加速
ゲーム / eSports
2021-04-27 12:09
社内SaaSの稼働状況を一括診断–ジョーシス、新サービスを発表
IT関連
2024-10-11 04:34
KDDIら、光海底ケーブルをマルチコアで大容量化–2020年代半ばの実用化へ
IT関連
2022-03-30 08:00
サッポロドラッグストアー、クラウド型健康管理システムの導入で従業員のヘルスケア強化へ
IT関連
2021-07-03 17:17
「elementary OS 7」の堅実な進化–シンプルな操作性とパフォーマンスの向上
IT関連
2023-02-09 17:54
ブックオフ、通販・買取サイトにCS特化型AIチャットボット導入–問い合わせ件数を35%削減
IT関連
2023-01-14 14:50
統合バックアップソフト「Arcserve UDP」新版、ランサムウェア対策機能を強化
IT関連
2023-01-19 00:25
ネットスコープとマクニカ、SD-WANの国内展開で協業–ゼロトラスト具体化も
IT関連
2023-05-11 23:14