先端半導体にDXで対応する電子材料や電子部品–旭化成のデジタルソリューション事業
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旭化成は6月6日、同社のデジタルソリューション事業の戦略について説明するとともに、電子部品や電子材料の開発製造を手掛ける富士支社(静岡県富士市)での取り組み状況を報道陣に公開した。AIや電気自動車(EV)、脱炭素など社会の高度化に必要な電子部品の製造で最先端の取り組みを推進している。
同社は、2018年からデジタルの導入・展開・創造・定着の4段階で全社のDX戦略を推進している。2022~2024年度の現中期経営計画「2024 ~Be a Trailblazer~」の中では、デジタルの人材とデータ活用量の拡大を図るとともに、重点テーマによる増益貢献などを掲げる。デジタルソリューション事業は、同社のビジネス領域となる「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」のうちマテリアル領域の重点的な成長事業に位置付けられている。
同日の説明会で専務執行役員 ライフイノベーション事業本部長の山岸秀之氏は、「電子部品と電子材料を併せ持つ強みを発揮して、デジタルソリューション事業がマテリアル領域の大きな収益の柱となるべく拡大成長を加速させる」と述べた。
同社の電子部品は、例えば、電流センサーではEVのモーターの精緻な制御や高速の充電ステーションなどに使用され、ミリ波レーダーICでは自動車内のセンシングに利用されている。内燃機関を持たないEVは静粛性に優れることから、快適な車内環境の実現で求められる音響のためのオーディオDSPなどがある。同社が世界で初めて実現したという電子コンパスICは、現在流通する多くのスマートフォンに搭載されているほか、カメラの手ぶれ補正とオートフォーカスを可能にするモジュールもスマートフォンなど多くの電子機器に採用されているという。
また電子材料は、最先端プロセスの半導体を含むIT基盤の根幹を支える。世界的に普及が進む5Gなどでの携帯電話基地局や、昨今ではブームに沸くAIの需要拡大を担うサーバーなどの機器でも必須となっている。
山岸氏は、電子材料の事業では微細化、高集積化、高速化を強みに、顧客からの要求レベルが高まる一方の最先端半導体と実装プロセスに対応し、最高品質のテクニカルサポートや品質保証を提供すると説明した。電子部品の事業では、センシング技術とアナログ設計、ソフトウェア技術を融合し、バリューチェーンと顧客提供価値に重点を置いたソリューションを提供していくとした。これらをDXによる製品開発の加速、イノベーションの創出などによって実現していくとする。