吉野家の牛丼、自宅前までロボットがお届け–出前館、パナソニックと組み自動搬送の実証実験
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吉野家、出前館、パナソニック ホールディングスは11月15日、吉野家のメニューを、自動搬送ロボットで住宅まで配送するフードデリバリーサービス実証を実施している。Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST、神奈川県藤沢市)内の全住宅を対象に自動搬送ロボット「ハコボ」が届ける。
実証期間は11月15~21日。出前館のアプリ上で吉野家 湘南新道辻堂店の対象メニューを注文、決済を完了し、パナソニックHDの自動搬送ロボット「ハコボ」が公道を自動走行して配送する。対象エリアは、神奈川県藤沢市辻堂元町6丁目8~25番地の566戸。
吉野家 湘南新道辻堂店では、人による配送も実施しており、実証期間中はスタッフと自動搬送ロボットの2つの配送方法を用意。自動搬送ロボット専用のアプリを用意し、注文を受け付ける。キャンペーン期間中により、いずれも送料は無料になる。
注文商品の準備、商品関連のオペレーションなどを担う、吉野家 未来創造研究所 未来施設・設計担当部長の古田勝己氏は「いつでもどこでもより早くお客さまに牛丼を届けたいという思いで、フードデリバリーに取り組んでいる。店舗の増加とデリバリーコストの低下、また人口減少に伴う配達員の方々の確保が現状の課題。今回のロボットを使った配送により、お客さまの反応や実装を想定した場合のオペレーションなどを確認したい。まだ、遠い道のりに感じられるかもしれないが、ロボットやドローンが料理を運ぶ未来は必ず来る。テクノロジーの進化に適応しながら、速やかにサービスを実装できるように取り組んでいきたい」とした。
今回の実証で稼働する自動搬送ロボットは1台。Fujisawa SST内に遠隔監視センターを設け、自動とオペレーターによる遠隔操作を組み合わせて走行する。
パナソニック ホールディングス モビリティ事業戦略室 RaaS事業戦略担当主幹兼X-Area事業推進PJ CEOの東島勝義氏は「デリバリーサービスの課題は地方や郊外などで配達員の方が不足傾向にあること。これに対し、ロボットデリバリーが貢献できないかと考えている。ロボットを活用すれば、事業者の方には販売機会の損失を防ぎ、利用者の方に対しては非対面で気兼ねのないサービスを提供できる。遠隔オペレーターはリモートで働けるため、シニアや子育て中の方などに働くチャンスも創出できる。すでに20~60代の遠隔オペレーターの方も養成している」と雇用促進までを見据える。
注文、決済システムを提供する出前館は、ドローン配送やデリバリーロボットの活用など、次世代配送にも力を入れている企業の一つ。出前館 戦略事業開発グループ ロボット配送PJ責任者の松村育俊氏は「一都三県の中でロボット配送を実施できることにワクワクしている。この実証実験の結果を通じ、人とロボットが共存する社会が描きやすくなると考えている」とした。