ソニックウォール、サービス型セキュリティへシフトする事業戦略を発表

今回は「ソニックウォール、サービス型セキュリティへシフトする事業戦略を発表」についてご紹介します。

関連ワード (セキュリティ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 ソニックウォール・ジャパンは、日本での事業戦略を発表した。創業から30年を超える歴史を持つ同社は、セキュリティアプライアンスのベンダーからサービス型セキュリティへの変革を進める。米SonicWall プレジデント 最高経営責任者のRobert VanKirk氏らが戦略を説明した。

 SonicWallは、2023年11月にマネージドセキュリティサービスを提供するSolutions Granted、2024年1月にはセキュリティサービスエッジを提供するBanyan Securityをそれぞれ買収。VanKirk氏は、「2024年の前半は製品や体制の統合に専念し、事業体制の大改革を進め、皆さんが(ソニックウォールに対して)イメージするファイアウォールを搭載したアプライアンスの提供ベンダーから、アプライアンスとサービスを組み合わせ提供することでサイバー攻撃に対抗していくベンダーへの転換を図った」と説明した。

 マネージドセキュリティサービスは、主に大企業が利用する高額なサービスという印象があるが、ソニックウォール・ジャパン 代表取締役社長の北川剛氏は、「中堅・中小企業でも利用できるよう工夫を行い、月額のサブスクリプションでも購入できるサービスとして提供していく」と、これらの規模の企業市場をターゲットとすることをアピールした。

 ソニックウォールでは、「SONIC PLATFORM」として、11月に発売した「SonicWall TZ80」のようなファイアウォールなどアクセスセキュリティ機能を搭載したクラウドセキュアエッジ製品、マネージドセキュリティサービス、ネットワークとアクセスセキュリティ、マネージドサービス事業者/マネージドセキュリティサービス事業者(MSP/MSSP)によるイネーブルメントをトータルで提供することで、セキュリティを守るサービスを提供する。

 VanKirk氏は、従来のアクセスセキュリティ機能を搭載したアプライアンスの販売から、サービスを含めたセキュリティソリューションを提供することになった背景として、単一のテクノロジーやアプライアンスを導入しただけでは、ユーザーのセキュリティを担保できなくなったことを挙げる。

 「当社が誕生して30年弱になる。私は2年前にCEOに就任し、就任後は、変革にフォーカスした。残念ながらサイバー攻撃がなくなることはない。お客さまを守るためには、クラウドベースのセキュリティサービスを拡充し、24時間サービスを提供し続ける必要があると考えた」(VanKirk氏)

 この変革を実現するために行ったことが、必要なサービスやソリューションを持つ企業の買収だ。VanKirk氏がCEOに就任する以前の15年間、同社は買収を行わなかった。VanKirk氏が就任して、Solutions GrantedやBanyan Securityを買収するなど、買収によって従来にはなかったソリューションの拡充を進めた形だ。

 「買収により獲得したソリューションを統合し、プラットフォーム上に各サービスを載せて提供することで、シングルサインオンにより、どのサービスでも利用できる。さらに、われわれのプラットフォームはオープンインテグレーションによって、外部とも統合できるようになっている」(VanKirk氏)

 新製品であるSonicWall TZ80は、日本のパートナーからの要望により開発したとのこと。小型で場所を選ばず設置しやすいことが特徴になっている。従来の小規模オフィス向けのファイアウォールアプライアンスとしても利用できるが、セキュリティサービスを利用するための窓口として、サブスクリプションの利用も可能となっている。同社が従来のアプライアンスの販売ビジネスから、サービス型のビジネスモデルへ転換した、変革の象徴的な製品になる。

 「現在のサイバーセキュリティに求められているのは、ハードウェア(アプライアンス)だけではない。導入してから常にアップデートし続けることも重要になってくる。TZ80は、われわれのパートナーがセキュリティサービスをエンドユーザーに提供し、われわれが裏側でサポートしていくことになる」(VanKirk氏)

 セキュリティサービスとなる「SonicWall Cloud Secure Edge」は、11月14日から日本リージョンのPoint of Presence(POP)の利用が可能になった。従来型のセキュリティモデルで課題となる管理性やユーザービリティー、セキュリティの課題を解決するVPN As-a-Service、ゼロトラストネットワークサービス、Cloud Access Security Broker(CASB)、セキュアウェブゲートウェイ(SWG)の機能を提供する。マルチテナントの管理を用意するなど管理の容易さ、接続の遅延や切断がなくなる高速かつ信頼性の高い接続性とゼロトラストセキュリティという特徴を持っている。

 SonicWallのマネージドセキュリティサービスは、ソニックウォールのパートナーを介し、「準備・検知・軽減・調査・改善」というサイクルで、顧客のセキュリティ対策の運用管理をサービスとして提供する。

 マネージドセキュリティは、セキュリティ対策に費用をかけることができる大企業での利用が多い。ソニックウォールは中小企業をターゲットにしており、中小企業が利用できる価格帯で提供する仕組みとしている。サブスクリプションで月額支払いを利用することが可能になり、価格設定を同社のパートナー自身で設定できるという。

 日本でのビジネスについて北川氏は、「日本の中小企業のお客さまの中には、セキュリティ機能を持つネットワーク機器を導入していないところがまだ多いようだ。ルーターを導入しただけで満足してしまっているケースも多いようだが、われわれのサービスを導入してもらうことで、よりレベルの高いセキュリティ対策をそろえることができる」と述べる。

 また、「われわれのパートナーと共に、クラウド環境に適した提供するマネージドサービスを提供できることを訴えていきたい」とも話し、セキュリティ対策をサービスで利用することのメリットをパートナー企業らと中小企業顧客に訴求しいく方針だ。

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