「GitHub Copilot」で開発効率を向上–富士通が語る活用術とは

今回は「「GitHub Copilot」で開発効率を向上–富士通が語る活用術とは」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 GitHub Japanは11月27日、記者説明会を開催し、「GitHub」の開発者数が350万人を突破したと発表した。開発者の急増と生成AIの拡大などにより、日本の開発者におけるエコシステムが拡大しているという。

 日本でGitHubを利用している開発者は、前年比23%増の350万人となっており、GitHubで9番目に大きな開発者コミュニティーになっているとのこと。GitHub リージョナル ディレクターの山銅章太氏は「IoTデバイスの開発や、AIモデルのトレーニング、さらには業務効率化を高めるツールなど、利用範囲は本当に広がっている。2028年にはドイツを追い抜き世界7番目に大きな開発者コミュニティーになる」と現状を話した。

 利用者増の背景には、GitHub上で生成AIの活用に注目が高まっていることも大きい。GitHubでは生成AIによるコーディング支援機能「GitHub Copilot」を提供。既に数百万人の開発者が使用しており、「市民権を得たツールになっている。AIの利用率が30~40%というニュースは時々見かけるが、GitHub Copilotに関しては、ほぼデファクトスタンダードになっている」(山銅氏)とその勢いを強調する。

 GitHub Copilotがここまでのポジションを築いた理由は、GitHubをソースコードのリポジトリーとして使っているユーザーが多く、そこでシームレスに使えるツールだったこと、早期に使うことで生産性の向上に大きく貢献することなどが挙げられる。山銅氏は「GitHubの特徴として、カスタマイズオプションが豊富で、コード生成のスタイルやレベル調整などができる。加えて幅広いプログラミング言語に対応しているため、今取り組んでいる仕事に直結して使える」と理由を明かした。

 コーディング支援を中心にしてきたGitHub Copilotだが、カスタマイズ性をさらに高めた、マルチモデルのGitHub Copilotも用意する。これは、OpenAIをはじめ、AnthropicやGoogleの機械学習なども選択できるようにしたもの。複数のモデルを試し、自分に一番合致するモデルを使えるというメリットがある。

 説明会には、GitHub Copilotを採用する企業の一つである富士通のソフトウェアオープンイノベーション事業本部 本部長の粟津正輝氏も登場した。富士通では、10月末時点で2400人の開発者がGitHub Copilotを利用する。利用者の90%以上が生産性の向上を実感し、20%以上が作業時間の短縮に効果があったと感じているという。

 粟津氏は「GitHub Copilot以外のツールも試したが、使いやすさ、既存の開発環境との親和性、ビジネスに適合するかなどを評価した結果、GitHub Copilotが最もマッチするツールだったため選定し、利用を進めることにした。2025年度末には利用者を約1万人まで増やしていく予定。これにより、累積37万5000時間の削減につなげる」と期待する効果を話す。

 新たなツールに対するセキュリティの脆弱性や著作権侵害などについては、セキュリティ、法務、ITシステム、品質といった部門を横断し、さらに使用するデリバリー部門やソフトウェア開発部門、富士通内にあるAIの横断コミュニティーである社内コミュニティがガイドラインを整備した上で社内に展開したという。

 導入に際しては、オンラインハンズオンを実施。「日本の開発者に向け教育を徹底してきたが、12月には海外の開発者に対しても展開していく。こういった教育が普及を加速させる1つの要素になるため、非常に重要な取り組み」(粟津氏)と手法を明かす。

 粟津氏は実際の利用シーンとして、約1000ステップのJavaScriptのコードを「このクラスで共通化できる処理を提案して」とGitHub Copilotに入力すると、238ステップまで減らせた例を挙げ「これが一瞬で作成される。ソースコードが75%削減されると、テストの工数やメンテナンスの内容も変わってくる。ソースコードが減っただけではなく、この後の作業へのインパクトも大きい」と紹介した。

 また、ソフトウェアの障害対応では、(1)状況整理、(2)原因分析、(3)修正計画、(4)修正、(5)単体テスト、(6)結合テスト――と6つあるプロセスのうち、(2)~(5)で大きな効果を発揮するとのこと。「使用する中で分かってきたのは、非常に高度なスキルを持つプログラマーよりも、初級者、中級者の方に対しての効果が非常に大きいこと。ただ、どんな状況においても最後に人間が確認することが重要」(粟津氏)と説いた。

 今後については「コーディング以外の領域、要件定義や運用、保守、あらゆるところに生成AIを活用していきたい。ソフトウェア開発のあらゆるところに生成AIを活用し、全社適用を進める」(粟津氏)と活用の幅を広げていく方針だ。

 GitHub Copilotは現在、180万人の有料ユーザーを持ち、世界中の7万7000を超える企業で採用されているとのこと。山銅氏は「AIを使い、日本中の企業が業務で抱える課題を解決し、成長を遂げるため、GitHubもサポートしていきたい」とした。

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