NTTデータとオラクル、ソブリンクラウドのサービス強化で協業–自社DCに「Oracle Alloy」導入
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NTTデータとOracleは、日本の企業・団体のソブリン要件に対応するクラウドサービスの強化に向けた協業を発表した。NTTデータは、自社のデータセンター(DC)に「Oracle Alloy」を導入し、クラウドサービス「OpenCanvas」を拡張してデータ主権要件への対応を強化する。
NTTデータは、Oracle Alloyの導入によって、自社の運用管理のもと、国内でデータを保持しつつ、生成AI機能を含む150以上の「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)サービスを順次提供する予定。新サービスは「OpenCanvas」を拡張する形で提供され、東日本リージョン(2025年12月末)と西日本リージョン(2027年3月末)で展開する。
NTTデータは、OpenCanvasで2030年までに1000億円の売り上げを目指すとしている。NTTデータ 執行役員 テクノロジーコンサルティング事業本部長の新谷哲也氏によると、そのうち約300億円はOracle Alloyの効果によるものになると見込んでいる。国内での展開後、グローバルビジネスの拡大も視野に入れている。
昨今の日本企業や政府機関では、パブリッククラウドで提供される最新のテクノロジーや豊富なサービスを活用したシステム近代化が進行中だが、経済安全保障の観点からデータ主権や運用主権への関心が高まっている。この背景から、OpenCanvasの顧客企業である公共・金融を含む各業界でも、データや運用を国内にとどめつつ、クラウド・サービスを活用したシステム最新化や生成AIなどの最新テクノロジー利用のニーズが高まっている。
NTTデータは、データセンター戦略として、AI利用支援に向けたデータセンター設備の増強と、ソブリンニーズに対応するサービス強化を実施していく。これにより、データ主権が担保されたOpenCanvas環境で、新規のサービスを迅速に構築し、自社でカスタマイズした独自サービスとともに、OCIの最新のIaaS/PaaSサービスを利用可能になる。
日本オラクル 取締役 執行役 社長の三澤智光氏は、「NTTデータとの今回の戦略的な協業は、日本の企業・団体のデータ主権要件に対応するソブリンクラウドの提供において、飛躍的な一歩になる。NTTデータはOracle Alloyを導入し、日本のお客さまのデータ主権要件に対応しながら、独自で付加価値の高い最新のAIおよびクラウドサービスを提供することができる。NTTデータと日本オラクルは、最新の技術を安全かつ快適に利用できるクラウドサービスを提供し、日本のためのクラウドを実現していく」と話す。
三澤氏はまた、Oracle Alloyについて「“Alloy”は“合金”という意味で、溶けたときに混ざり合う2つ以上の金属、または金属と非金属の成分からなる混合物。Oracleとパートナーが一緒になって、より良いサービスを提供するという意味が込められている」と語った。日本では、既に(NRI)と富士通がOracle Alloyを導入しており、NTTデータは3社目となる。