AIエージェントはコンサルティング業務を代替できるか
今回は「AIエージェントはコンサルティング業務を代替できるか」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
人間に代わってさまざまな業務を代行するAIエージェントが、これから企業にどんどん入り込んでいきそうだ。これを売りたいベンダーは、「AIエージェントは人間の能力を拡張し、業務の推進を支援する」と強調するが、人間の仕事を奪う側面があるのも確かだ。例えば、コンサルティングはAIにできない仕事と見られがちだが、「コンサルティングも代替される」との意見もある。AIエージェントをうまく活用しながら、人間がやるべき仕事とは何か。
米Accentureは先頃、12の業界に特化したAIエージェントソリューションを備えた「AI Refinery for Industry」を発表した。
同社によると、AI Refinery for Industryは「企業がAIエージェントのネットワークを構築し、迅速な社内展開を可能にするソリューション」とのこと。これにより、企業の従業員個人の能力を拡張するのみならず、業界固有の課題にも対応するAIエージェントの導入を加速することで、企業価値のさらなる向上に寄与するとしている。同ソリューションは、同社の多様な業界における2000件以上の生成AIを活用した変革プロジェクトへの投資と知見に基づいて開発された。
同ソリューションで提供される業界特化型のAIエージェントは、業界固有のビジネスプロセスや高度な専門性を踏まえて体系化されているほか、各企業のデータを使用してカスタマイズできる専門マルチエージェントネットワークの導入も加速させるという。仕組みとしては「NVIDIA AI Enterprise」ソフトウェアを活用して構築されており、従来AIエージェントの実装と利用までに数週間から数カ月を要していた時間を、数日に短縮することが可能になるとしている。
同社では2025年中に、AI Refinery for Industryを100種類以上のAIエージェントソリューションへと拡大する計画。その第一弾となる今回発表の12種類のソリューションは、2025年2月末までに利用可能になる予定だ。ただし、日本での展開はまだ明らかにされていない。
コンサルティング会社の代表格であるAccentureがAIエージェント分野に本格的に乗り出したのは、企業において業務ごとのさまざまなAIエージェントをうまく連携させて活用していこうとする際に、その戦略やマネジメントにおいてコンサルティングも求められるようになるという目算があるからだと見て取れる。もっとも同社の場合は、業務システムの構築・運用を請け負うITサービスベンダーの側面もあるので、システムとして考える必要があるAIエージェントは“川上から川下まで”のトータルビジネスとなる格好の商材といえよう。
だが、一方で、AIエージェントの活用をテーマに取材を重ねている中で、この分野の有識者から「生成AI、そしてAIエージェントが出てきたことで、コンサルティング業務もAIで代替できるようになるのではないか」との意見も聞いた。
どういうことか。その有識者によると、コンサルティングでは依頼を受けた内容に対して最終的に「意思決定に資する戦略」を提案するが、そこに至る過程で経済や当該業界の動向をはじめ、関連するさまざまな調査、戦略策定のための方法論やケーススタディーなどの情報を集めて分析する作業を繰り返し行う。そうした作業をそれぞれの業務に精通したAIエージェントが駆け回って務め、それらを連携させて得た内容から生成AIが最終的に戦略を立案するといった形で代替できるのではないか、との見立てだ。