顧客のイントラネットと接続–モノタロウが手掛ける間接資材購買の変革
今回は「顧客のイントラネットと接続–モノタロウが手掛ける間接資材購買の変革」についてご紹介します。
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事業者向け間接資材ECサイトを運営するMonotaRO(モノタロウ)は、大企業などが利用する購買管理システム事業の取り組みについて説明会を開催した。同社はこれを「間接資材購買DX」と位置付け、さまざまな業界の大手企業において調達の効率化に向けた改革を支援していることを訴求した。MonotaRO エンタープライズビジネス部門長の屋敷真一氏は、「使い勝手の良さから、多くの大企業での導入が進んでいる。顧客の声を基に、常に改善を加えており、それが事業成長につながっている」と手応えを示した。
同社は、大企業向け購買管理システムの提案を2010年にスタートした。2024年12月末時点で3845社が利用しており、同事業の2024年の売上高は前年比27.9%増の861億円を達成。2025年も前年比25.2%増の1078億円と、高い成長を見込んでいる。モノタロウ全体の3割強を占める事業に成長しており、初の1000億円突破を目指す。
屋敷氏は、「間接資材の調達は、数千円、数百円といった安価なものを購入する場合でも、それぞれ見積もりを取る必要があり、手間がかかっている。さらに、低頻度や小ロットの間接資材を調達する際は、在庫確認に手間を要することや、全国規模で調達できる環境が少なく、分散する拠点ごとに統一したサービスを受けることができないため、調達価格や納期に差が生まれたり、購買ルールが統一できていなかったりする課題もある」と指摘する。
間接資材を購買するために、1つの注文当たり平均約60分の工数がかかっているという。また、ホームセンターなどの店舗で購入すると、工数は約120分かかり、欠品などで入手できない場合もある。「大企業では多くの社員が間接資材の購入に携わっている。それだけ多くの手間が発生していることになる」(屋敷氏)
モノタロウでは、独自にチューニングした検索エンジンを活用して、取り扱う2475万点以上の間接資材品の中から最適なものを抽出し、11分で購買作業を完了するという。「1回当たりの資材調達で約50分の時間を削減できる。多くの社員が関わる業務で大きなメリットを生んでいる」と屋敷氏。年商1000億円の製造の場合、月間で1000~1500件のオーダーがある。これをモノタロウに置き換えれば、削減効果は月間800~1200時間になると試算している。
モノタロウは、購買管理システムとして、2つのソリューションを提供している。
1つは「パンチアウト連携」と呼ぶもので、大企業が独自に導入している購買管理システムと、モノタロウの購買システムを接続し、社内のイントラネットなどからモノタロウで取り扱う商品を購入する仕組みだ。
屋敷氏によれば、約800社がこの仕組みを導入。モノタロウの商品データベースやカタログサイトを連携させることで、商品を選ぶ時にモノタロウのサイトで検索して欲しいものが見つかったら、社内の購買管理システムで承認フローを流すことになるという。現在は、国内外のシステムインテグレーター(SIer)が提供する購買管理システムなど約30社と連携可能だ。
2つ目は、購買管理システムを導入していない企業に対して、購買管理に必要な承認機能などを搭載したシステムを提供する「ONE SOURCE Lite」と呼ぶ方法だ。2994社が利用しているという。個人ユーザーや中小企業向けに公開しているネットストアの「monotaro.com」と同様の検索画面から必要な商品を選択し、提供するシステムに則って、承認や決済などを行う。
どちらのソリューションも初期導入費用や導入後の運用費用は無料で、1週間~1カ月の短期間で導入可能という。同社は、大企業向けに用意した専用コールセンターでサポートする仕組みも整えている。