国内初導入のコンテナー型データセンターへの液冷システム–新潟・湯沢で公開

今回は「国内初導入のコンテナー型データセンターへの液冷システム–新潟・湯沢で公開」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 エレクトロニクス商社の菱洋エレクトロとデータセンター事業のゲットワークスは、ゲットワークスの「湯沢GXデータセンター」(新潟県湯沢町)に、コンテナー型データセンターでは国内初という液体冷却(液冷)対応のGPUサーバーおよび冷却システムを導入した。本格稼働を控えた2月、現地を取材した。

 ゲットワークスが湯沢GXデータセンターに導入したのは、NVIDIAのGPU「NVIDIA H100」を8台搭載するSuper Micro Computer(Supermicro)の液冷対応GPUサーバー「AS-4125GS-TNHR2-LCC」と専用ラック、冷却水循環装置(CDU)、液冷クーリングタワー「LCS-SCLT-010C1001」などから構成される設備になる。

 菱洋エレクトロは、NVIDIAの日本の総販売代理店を務める。ゲットワークスは、200棟以上のコンテナー型データセンターを手掛け、特に再生可能エネルギーの活用など環境に配慮した取り組みで知られる。湯沢GXデータセンターは、「グリーントランスフォーメーション」(GX)をコンセプトに、AIやハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)などに対応可能な次世代データセンターとして2023年に開設。2025年2月時点で120棟以上のコンテナー型データセンターが設置されている。

 ゲットワークス 事業統括部長の林竜太朗氏によると、同社がコンテナー型データセンターに注力するのは、もともと災害時などの事業継続性を確保する上で、コンテナー型であれば迅速に設置、稼働可能だったからという。現在では、それに加えてAIへの需要が急速に高まり、コンテナー型であれば、稼働までに数年を要する建屋型データセンターよりも早く計算資源を確保できる点で、企業や組織から問い合わせが増加しているという。

 また、同社は新潟県を事業拠点の1つとしている。データセンターで採用するコンテナーは国際標準の20フィートクラスであるため、海上輸送で新潟港などから搬入がしやすいほか、首都圏からのアクセスの良さ性や資源の豊富さ、自治体などと連携体制などが理由だそうだ。

 特に湯沢GXデータセンターは、河川や井戸水の水資源が豊富で、同社が推進する再生可能エネルギーとしてバイオマス発電を活用でき、夏場も比較的冷涼な気候であることから外気冷却でのエネルギー消費を抑えやすいという。都心からも最寄りの新幹線・越後湯沢駅まで75分程度と近く、同社では次世代のコンテナー型データセンターと位置付けている。

 林氏は、急速に需要が高まるAIや生成AI、HPCなどのワークロードでは、データセンターの電力消費も増大することから、再生可能エネルギーや電力消費の抑制に貢献する効率性に優れた冷却手段の活用が重要になると指摘する。

 サーバーなどの冷却方法は、空調装置で冷やした空気をラック内の機器に吹き当てる空冷方式が主流だが、AIなどを処理するGPUなどのサーバーは発熱量が大きく、空冷方式では冷却だけでも多大な電力を消費してしまう。このため今後は、ラック内に配した流路管やヒートシンクを使って液体冷媒との熱交換により機器を冷却する直接液冷や、絶縁性質を持つ液体冷媒で満たした容器内で機器を冷却する液浸冷却などの液冷方式が広がると見られる。

 今回の液冷システム導入について林氏は、「NVIDIAも次の『Blackwell』世代より液冷方式を標準にしていくと聞いており、いち早く取り組む必要があると考えた」と話す。

 菱洋エレクトロ 営業統括本部 ソリューション事業本部 ソリューション第5ビジネスユニット 営業第1グループの永田望氏は、「液冷方式を採用することで、空冷に必要だったファンの数が減り、ラックにより多くのGPUやサーバーを搭載できるなど、液冷方式が主流になることで物理的なスペースが広がっていくメリットがある。Supermicroは国内シェアが年々高まっており、基本的に全てのサーバーをオーダーメード構成で製造しているので、顧客も要件に応じた仕様の製品を調達できる」と説明する。

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